内容説明
美しいヴァイオリンの音色が響いていた。バスターが母の胎内で弾いていたのだ。天才ヴァイオリニストになるはずの彼がなぜ4年間も胎児のままでいようとしたのか?医師ブラウンは、遺体の胎内にヴァイオリンとともに残された日記をもとに不思議な症例を報告する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶう兵衛
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祖母-母-娘の毒親的な負の連鎖を中心に、不満を持ちながら立場上大きく出れないことで自体をややこしくする父親や、家出して宗教にはまったあげく麻薬で捕まった叔父(彼は胎児にとって唯一希望に映る)に将来の不安を見てとった胎児は病み、胎内に引きこもることを決意する。分かり合えないことが前提になっている世界(家族療法も失敗する)にどっぷりはまる人もいるだろう。ただ、胎児の期待はことごとく裏切られるとはいえ彼からの働きかけは少なかった上に説得的なものは一度も試みていないのだから諦めが早すぎる気がしないでもない。2014/10/01
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