内容説明
図書館司書の日常と本や映画にまつわるエピソードの数々。韓流ブームとは違う視点で「本」から韓国を見る。
目次
1(画面スクロールは巻物と同じ?!;囚われの司書;「刑務所図書館」のある国;かしこいシンデレラ;まさにプロフェッショナル ほか)
2(鳥(バード)のように旅をして(『朝鮮奥地紀行』イザベラ・バード著)
人が母語を失ったとき(『それでも私は旅に出る―チマ・チョゴリの日本人、世界へ』金纓著)
圧倒される人生の真実(『サンダカンまで―わたしの生きた道』山崎朋子著)
何者かに対して深く頭をたれて(『シックスストーリーズ―現代韓国女性作家短編』キム・インスク他著)
かけがえのない存在へと変わるとき(映画『おばあちゃんの家』) ほか)
著者等紹介
大島真理[オオシママリ]
1948年宮城県生まれ。山形大学卒業。東北大学附属図書館を経て、現在、東北福祉大学講師/図書館司書。91‐92年アメリカウェスト・バージニア工科大学図書館にてインターン
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
モリー
49
大島真理さんは、私が頼りにしている図書館司書の一人です。と言っても、残念ながら実際にお会いしたことはありません。129貢に59冊の本と28本の映画が紹介されています。読みたい本と見たい映画が一気に増えるので、私にとって大島さんの本は、禁断の果実のような存在です(笑)。線を引いたり、付箋をはったり、書き込みしたくなり購入することにしました。2019/07/14
AKIKO-WILL
37
大島真理さんのエッセイ第一弾!まさかの書庫扱いとは。書庫から救い出しました!本や映画の書評は韓国関連が多かったのはちょうど発売時に韓流ブームだった事もあり、少し違う視点で見て欲しいからとあげた本や映画は流石なチョイスです。司書歴30年の著者が語る図書館や本にまつわるエッセイはとても興味深く読んでいて無口な本だけど故に饒舌になるとはまさにこの本の事だと感じます。「晴れた日は図書館に行こう」の本が凄く読みたくなりました。2016/03/29
ユウユウ
35
本の解題を見て韓流あんまり詳しくないからな…と思ってたけど、それ以外の部分に色々おもしろいこと書いてあって楽しめました。司書ってほんと憧れます。2018/11/21
キラ@道北民
28
図書館司書のエッセイを初めて読んだ。書店員や編集者のエッセイは読んだことがあるけれど、司書という立場から本についての雑感が楽しめます。行政との関わりや世界の図書館と人々の関係が目新しかったかな。映画や本の中の司書からあるべき姿を探したり、専門職としてアンテナを張り巡らせているところがすごい!2016/04/05
よむよむ
22
著者の長年に渡る司書の仕事を通して知り得た、たくさんの本や映画が紹介してある良本。司書という仕事についてもさりげなく、しかし厳然たる誇りを持って記してある。映画『ユーガットメール』の、主人公がライバル店で絵本の題名を言い当てる場面について言及しているが、そこは私も好きな場面。ちょっと哀しいけどね。書店員もそうだけど、司書はさらなる専門性が問われるのだ。司書さん、いつも大変お世話になっております!2010/06/10