内容説明
東日本大震災をくぐり抜けた“魔女”。復興途上の東北からエールを送る4年ぶりの爽快エッセイ。
目次
1 図書館をめぐって(「黙過」ということ;非常時の図書館;アナログ新聞 ほか)
2 本をめぐって(物語に図書館を読み解く『やんごとなき読者』;フェミニストヒロインの系譜、そして図書館『オックスフオード物語:マリアの夏の日』;図書館へ冒険する少女たち『指ぬきの夏』 ほか)
3 映画をめぐって(韓国ホームドラマから『ソル薬局の息子たち』『オジャッキョの兄弟たち』『天上の花園』;別れの美学を超えるもの『追憶』;砂漠に舞い落ちた天使?『バグダッド・カフェ』 ほか)
著者等紹介
大島真理[オオシママリ]
1948年宮城県生まれ。山形大学卒業。東北大学附属図書館、91‐92年アメリカウェスト・バージニア工科大学図書館にてインターン。元東北福祉大学准教授(図書館学)、エッセイスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
46
著者が教え子や知人たちに、限定メルマガという形で発信したものを纏めた本。図書館に対する愛、仕事への誇りを感じた熱い本。読メさんの多くは司書に憧れていたのではないでしょうか。今現在司書の方々もおられるでしょう。憧れつつもなれなかっただけに、読んでいると胸が熱くなることもありました。特に東北在住で震災にもあわれ、当時の図書館、新聞などの活字文化の頑張りに言及される姿勢は、まさに司書でした。お勧め本からはたくさんの読みたい本に登録が出来て嬉しい悲鳴。2018/05/12
AKIKO-WILL
36
この本は、ちょうど東日本大震災後に出されただけあり、著者が東北でのコトを書かれていたのが印象的でした。今回もまた興味深いオススメ本のチョイスでどの本もベテラン司書ならではの視点での書評だから安心して読めそう。映画は、韓流ドラマ3作が入っていたのが著者らしい。「ソル薬局の息子たち」はすでに見た作品だけど、著者の手にかかるとまた見たくなる。そして映画のバクダッドカフェも!著者の司書シリーズを全て読んでしまっただけにいち早く新作を望んでしまう。たまに読めない漢字があり、勉強不足だと痛感しました。2016/05/19
キラ@道北民
32
タイトル借り。司書目線のエッセイ、書評、映画紹介。美しいものを見て感性を育てようとする探究心、好奇心が素晴らしい。興味深い映画がたくさんあったので、ほとんど利用することない図書館の視聴覚資料を見てみようと思う。2018/05/13
chiaki
24
今回のも面白い。震災時、手書きで発行されたという「石巻日々新聞」。非常時に人びとを勇気づけたのは、他でもないアナログの"印刷物"だった、というエピソードに思わず胸が熱くなる。そういえば以前に読んだ「書店ガール3」で、すべてのライフラインが途絶えた当時、本が予想外に売れた…という箇所があったのを思い出す。書籍やジャーナル、なにもかも電子化が進む時代だけど、"印刷物"の可能性を痛感させられた。著者が遅読について、肯定的なのが嬉しい!2016/03/25
ぺけぽん
20
大島先生の本は出るたびに読んでいます。あまり自分で本の範囲を広げることができない私には良質なブックレビュー本です。おかげで読みたい本が増えて増えて大変ですがね。2013/05/10