死刑事件弁護人―永山則夫とともに

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死刑事件弁護人―永山則夫とともに

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  • サイズ B6判/ページ数 294p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784946406591
  • NDC分類 326.41
  • Cコード C0032

内容説明

この本は、永山則夫という稀なる個性を鏡としながら、傷つき、悩み、苦しみ、弁護士として、一女性として、変化成長して行く、著者自身の記録である。

目次

プロローグ 未明の電話
1章 受任―事件との出会い
2章 事実認定―認定された事実に間違いはなかったか
3章 死刑裁判―裁判官によって結論は異なるか
4章 量刑事情―死刑か無期か
5章 精神鑑定―精神に異常はなかったか
6章 死刑執行―死刑囚の生活と執行をなぜ隠すのか
7章 死刑制度―廃止への公平な議論を
エピローグ 弁護の報酬―残された課題と弁護人たち

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

James Hayashi

19
法務省の臭いものには蓋をしろ的な行政を感じる秘密主義。永山則夫被告の裁判では残念な結果に終わったが、かなり力量があると思われる良心的な大谷弁護士。彼の死刑執行後、本が出版されたらしいが1年余りで1400万円の印税。結構当たれば儲かる文筆業。永山被告と獄中結婚した和美さんの法廷での陳述もでているが、米国より海を渡って死刑囚との結婚は絶対理解できない。エンディングにある跋文は道浦母都子(歌人)は日本赤軍の永田洋子に触れているが、味わい深いものであった。2015/05/02

gtn

18
突き詰めれば、自分を捨てた母憎しの一念から生じた事件。永山が死刑に至った大きな理由は、拘置所で初めて思想らしきものに触れ、その正邪も分からず身に着けた理論武装。控訴審で奇跡の無期懲役を得たが、永山の薄っぺらな法廷批判に、その後、情状酌量が認められることはなかった。憎悪の対象であった母から永山に手紙が届く。「一所懸命おがんでいます。南無妙法蓮華経です」「どうしてこんなに不幸が続くのかと思い拝むようになりました」と。信仰を得て、一度捨てた子の善処を祈る母。永山の乾いた心にそれが染み渡ったかどうか。2020/04/21

ねお

14
「生きたいと思わせてから殺すのが、お前らのやり方か」。一審では、弁護人に対してさえ心を開かず、死刑を望んで死刑判決を受けたが、控訴審では弁護人との信頼関係を築き、婚姻もし、著作物の出版もしながら無期となったのち、最高裁は有名な永山基準の判示をして差し戻した。切り取られた事実に基づく裁判で裁く者の違い、社会情勢やマスコミの反応により判断が左右される、人が人の生死を決定することの不確かさ。死刑存置の根拠として世論を挙げながら、死刑執行の際の密行主義に基づき判決確定後の死刑囚の生活を議論の前提とさせない日本。2020/11/30

あられ

2
この1冊だけでは、よくわからないかもしれないが、他の本も読んで、この本を読むと、妻との交流、弁護人の弁護、妻と弁護人が被害者遺族を尋ねたこと、などがよくわかった。死刑にしてほしくなかった方です、生きて、作品を書いていただきたかった。死刑があるから、殺されてしまった。。。死刑は廃止すべきだと思う。2013/04/26

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