出版社内容情報
第1章 仏教の中心の教えは「法華経本門」にあり、さらに本仏の衆生救済は仏種子の下種にあること示す。
第2章 法華経二十八品(章)の要点を簡明に述べ、各品に説かれた深意と位置付けを明確にする。
第3章 釈尊一代の仏教経典の核心とともに、実践修行のありかたと、末法衆生が成仏できる法とは何かを究める。
第4章 経家阿難が望見する「久遠本地」の世界では、本化の菩薩たちが活躍し、末法救済の一点が見据えられていることを明かす。
まとめ 題目に秘められた法華経の真実こそが「南無妙法蓮華経」であること説く。
“日蓮宗”の歴史上、分派分裂の要因となった最大の教義論争を「本迹一致・勝劣」論争という。「本迹」とはもともと天台大師智の法華経解釈に用られた用語だが、日蓮聖人はその「本迹」を縦横に駆使して“天台法華宗”とは違う新たな“日蓮法華宗”の教義をを確立したわけで、そういう意味では「本迹」は日蓮聖人の宗教を知るためのキーワードのひとつである。
「本迹」の深い意味は本書に中で触れるが、簡単にいえば法華経の前半を迹門といい後半を本門という。この本門と迹門の関係をどう受け止めるかというときに、“天台宗”は「本迹一致」の立場をとり、“日蓮集”は「本迹勝劣」の立場を主張する。
その「一致・勝劣」の問題がこともあろうに聖人滅後宗内において再燃したのである。ただし再燃した「一致・勝劣」には二重の意味があってこれがなかなか単純でない。事実、歴史上二度あったとされる宗内の「本迹一致・勝劣」論争だが、その「一致・勝劣」がそれぞれ別の意味で使われているのである。
1回目は日蓮聖人の七回忌を機に起こった。聖人入滅の直前に定められた本弟子六人(日昭、日朗、日興、日向、日頂、日持――六老僧)のうちの日興師と他の五師との対立である。 (
◎ここがポイント(100字以内、2~3点)
・本書は、あらゆる仏教の核心というべき「本化仏教」をわかりやすく説いた、その入門書である。
・「本化仏教」とは、釈尊が最後に説いた法華経本門の八品に描かれる久遠本仏の世界である。本書はその解説書であり、教義の説かれることの少ない現代の仏教界に一石を投じるものでもある。
・「本化仏教」はまた、日蓮が生命を賭して布教した教えでもあり、本書はまた、日蓮の宗教の全貌と核心とをよく伝えるものでもある。
・「本化仏教」はまた末法衆生救済を説くものであり、末法の世である現代に生きる人々にこそ大きな意味をもつものであることを、本書はわかりやすく説いている。
◎こんな人にお薦め(50字以内、3~6点)
・生きることの意味を問い、哲学としての仏教に関心のある方
・仏教に関心をもち、まず仏教とは何かを知りたい方
・幅広く仏教書を読み、比較仏教学に関心のある方
・日蓮宗の「八品門流」の教義に関心のある方
内容説明
日蓮聖人の宗教の本意はどこにあるのか。聖人の唱え出されたお題目とはどういうお題目なのか。南無妙法蓮華経はいったいどこから現れたのか。お題目の信仰についての理解が深まる一冊。
目次
第1章 仏教の中心はどこにあるのか―五段相対(日蓮聖人の三大開顕書と二大元意書;すべての教えを五段階で判別する―五段相対)
第2章 法華経の世界―法華三部経のあらまし(無量義経―法華経の露払い;妙法蓮華経―「如是我聞―是の如きを我聞きき」 ほか)
第3章 末法の衆生の成仏の法は何か?―五重三段(三段分法で経典の核心を把握する;一代三段―釈尊五十年の経教の中心は法華経 ほか)
第4章 「末法救済」の一点を見据えて―八品流通(阿難が望見した久遠の世界―本地八品;仏の慈悲は未来を指向する―八品流通 ほか)
まとめ 題目に秘められた法華経の真実―南無妙法蓮華経
著者等紹介
泰永二郎[ヤスナガジロウ]
1950年、群馬県前橋市に生まれる。1970年、法華教学(本門八品流)の硯学で在家日蓮宗浄風会の鈴木基靖師に師事、薫陶を受ける。現在、在家日蓮宗浄風会会長。全国各地で「こころの時代」をテーマに、精力的に講演活動を続け、法華経の実践と弘通に尽くす
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