内容説明
文科省はなぜ集団自決の「軍命令」に検定意見をつけたのか、沖縄県民は何故この検定に「全会一致」で反対するのか、マスコミの報道だけでは解らないことが多すぎます。そこで、本書は歴史の針を沖縄戦の時点にまで戻し、集団自決が「軍命令」とされた歴史的経緯を丁寧に追う中から、この問題の本質が掴めるように工夫しました。
目次
第1章 沖縄戦集団自決はなぜ起きたのか―その背景を探る(沖縄戦が始まる前に、日本軍は老幼婦女子二十三万人を疎開させていた;沖縄県民の多くは日本軍を信頼しており、共に玉砕するつもりだった;「軍命令」とは無関係な座間味島集団自決―「早まって死ぬな」と住民を諭した野田隊長 ほか)
第2章 沖縄戦集団自決「軍命令」説は如何につくられ、広まったか?(日本軍と沖縄県民の離間を狙った米軍の「心理作戦」;戦いに疲弊した沖縄県民の手記に現れた、「心理作戦」の成果;米国の「宣伝をする」ためにつくられた沖縄の新聞社―スタッフは銃殺を恐れて協力 ほか)
第3章 沖縄戦集団自決「軍命令」説は、かくして破綻した(渡嘉敷島集団自決の真相1 『鉄の暴風』に疑問を呈した曽野綾子氏;渡嘉敷島集団自決の真相2 赤松隊長は村を救うため十字架を背負った;座間味島集団自決の真相1 「軍命令」証言を撤回した元女子青年団員 ほか)
著者等紹介
勝岡寛次[カツオカカンジ]
昭和32年、広島県生まれ。早稲田大学第一文学部卒、早稲田大学大学院博士課程修了。現在、明星大学戦後教育史研究センター勤務、明星大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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