内容説明
厚見郡東島村(岐阜市)の有力農民出身者が、下級武士に取り立てられ出世もしていた。また田地を所有して年貢を納め、さらには商家に養子に出していた子を戻し跡継ぎにしていた。永井氏加納藩(岐阜市)下級武士の田辺家三代にわたる日記『見聞録』は、江戸後期より明治維新までの、加納城下はもとより全国的な動向から、家庭の事情まで広範囲に綴られていた。特に明治維新前後の動乱期はリアルである。この日記を読み解き、あまり知られていない下級武士の実態を明らかにする。
目次
第1章 田辺政六時代(政六『見聞録』を綴り始める;立身出世した政六の居宅 ほか)
第2章 田辺辰吉時代(殿様より「御通り頂戴」にまで昇格した二代目辰吉;辰吉の家族の成長 ほか)
第3章 田辺礼次郎時代(田辺家の相続を願い続けた辰吉の死去;明治維新を乗り切ろうとした礼次郎 ほか)
終章 下級武士の存在形態(下級武士にかかる諸問題;百姓の身分から下級武士の階層へ ほか)
著者等紹介
西村覺良[ニシムラカクリョウ]
昭和18年(1943)2月28日生。岐阜大学学芸学部史学科卒業。昭和40年4月1日~平成15年3月31日岐阜県公立学校教員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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