感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
madhatter
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日本における超短篇のルーツは確かに稲垣足穂にあるのだろう。だが、星新一が昔言っていたように、足穂の作風自体を真似てうまくいくことは、まずないと思う。本書でも、足穂風の奇想で勝負したらしきものは、さして出来がよくないように思えた。しかし、日常を非常に小さな範囲で切り取った「血闘」、少女性への憧れに対する皮肉を扱った「少女」や、発想に制限を付けた上で独創性を発揮する「計算」の連作などは、奇想ばかりに限られない超短篇の可能性を提示した、「宣言」の名に恥じない試みであろう。2010/12/01
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