梶原一騎原作漫画傑作選 男の星座 〈５〉

原田久仁信

道出版（2002/09発売）

• サイズ B6判／ページ数 407p／高さ 19cm
• 商品コード 9784944154777
• Cコード C0079

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[AICHAN]

再読。関東のヤクザ組織に命を狙われる主人公。大山倍達がそれを助ける。大山は柳川組組長の柳川次郎とは旧知の仲で、その柳川が関東のヤクザ組織にひと声かけただけで主人公は助かる。梶原一騎は春山一郎と会ったことがない。なのに親しく付き合ったように描いている。春山が原爆病だったというのはフィクション。大山倍達門下が贔屓にしてもらっていたおでん屋のジャニーさんがかつての商売敵にボコボコにされた仕返しに、春山が店を襲撃したのはどうやらフィクション。こうまでフィクションが多いと、これが“自伝”とは到底思えない。

2023/02/15

[AICHAN]

ヤフオク本。１巻のレビューで「力道山、木村政彦、大山倍達の三つ巴の“男の星座”を描く」と書いたけど、木村政彦が転落し、「力道山、大山倍達、梶原一騎の三つ巴の“男の星座”を描く」と書き直す。講談社の編集長が梶原一騎に原稿を頼みにくるところで終わっている。梶原さんの急逝で未完なのだ。『巨人の星』や『あしたのジョー』などの名作はこうして生まれ、梶原一騎も「男の星座」のひとつとして光り輝くことになる。でもなあ、大山倍達の描き方がいけない。『空手バカ一代』と変わってない。追放処分を受けた極真会にそんなに未練が？

2017/10/17

[AICHAN]

再読。極真空手で伝説になっている強者・春山一郎を春山章として描いている。梶原一騎は春山とは面識がなかったらしい。だからその点はフィクションだが、これまた伝説の強者でケンカ十段と呼ばれた・安田英治の「池袋17人斬り」は事実。安田の事績は『空手バカ一代』では芦原英幸の事績として描かれている。そのことが梶原と大山倍達の関係にヒビを入れた一因になったのも事実。極真空手の黎明期をざっと知る上ではとても貴重な作品。

2021/10/07