著者等紹介
フリッシュ,マックス[フリッシュ,マックス] [Frisch,Max]
1911‐1991。スイスの小説家、劇作家、建築家。戦後スイスを代表する作家の一人。「国民国家」や「アイデンティティー」といった近代的価値観を喪失した戦後社会において、自己とは何かを問い続け、小説、戯曲、散文など幅広い形式で数多くの作品を残した
市川明[イチカワアキラ]
大阪大学名誉教授。1948年大阪府豊中市生まれ。大阪外国語大学(現・大阪大学)外国語学研究科修士課程修了。1988年大阪外国語大学外国語学部助教授。1996年同大学教授。2007‐2013年大阪大学文学研究科教授。専門はドイツ文学・演劇。ブレヒト、ハイナー・ミュラーを中心にドイツ現代演劇を研究。多くのドイツ演劇を翻訳し、関西で上演し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nightowl
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ナショナルシアターライブで「レオポルトシュタット」「善き人」等、ユダヤ人迫害に関する作品上演が続いた中日本でも同様の流れが生まれている。文学座でもスイスの当作品を上演決定( http://www.bungakuza.com/andorra/index.html )。ユダヤ人の特徴として語られていることがブーメランになっていることなど辛辣さが強烈。"永世中立国"スイスの裏を述べる解題も圧巻。実際の上演では、第三者からの愛を受けずに育った主人公が自分は愛されない人間だと自己暗示する様子が印象的で胸を痛める。2024/03/18