内容説明
あの伝説的雑誌『話の特集』元編集長矢崎泰久さんが、仕事と遊びを通しとことん交友を深めた今なお異彩を放つ十六人の文人達の知られざる素顔や歩みを惜別をこめ鮮やかな筆力で蘇らせた痛快無比の人物エッセイ集。
目次
夢配達人の置き土産―草森紳一
テレビに翻弄された晩年―筑紫哲也
天衣無縫なマエストロの真実―岩城宏之
オール・オア・ナッシング伝―色川武大・阿佐田哲也
妖精の永遠の眠り―岸田今日子
生涯、社会部記者の誇り―本田靖春
完璧主義の天才の悲劇―伊丹十三
心やさしき反逆者―山下勇三
フーテンの寅さんの素顔―渥美清
我が愛しの遅筆堂―井上ひさし〔ほか〕
著者等紹介
矢崎泰久[ヤザキヤスヒサ]
1933年東京生まれ。夕刊紙記者を経て、1965年『話の特集』を創刊。95年3月に休刊するまで三十年間にわたり編集長と社主を兼務。月刊誌の他に、約三〇〇冊の書籍も発行。映画・TV・ステージのプロデューサーとしても多くの仕事を手がけた。現在は生涯現役フリージャーナリストを目指して活動するかたわら、「矢崎塾」を主宰、講師を務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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susie
1
著者が友人たちの受勲にいちいちこだわっていたりする左翼なかんじはちょっと理解できないけど、本来アウトサイダーであるべき人たちがいつの間にかそうでなくなっていたという苦さが本書を貫いていて(全員がそうというわけではないが)、貴重な回想録だと思う。面白い。2012/01/24
ひでき
1
廃刊になった「話の特集」の執筆者で故人の想い出を元編集長の矢崎泰久が書いたエッセイ集だ。私の母が永さんの奥さんと友達で私自信が小林信彦が好きだったこともあり登場人物に、小中学校の頃の公務員の息子のませた私は「粋」を感じて憧れていた。中年御三家のテープを繰り返し聴いた。あの時感じた本質的な生き方=「粋」が、本書で語られる「賭け麻雀」「くすり」「猥談」など今は「裏」の世界になった。国が合法と決めたパチンコが駅前に違和感を感じ、国に与えられた楽な生き方に息が詰まっていた私に「粋」とは何かを想い出させてくれた。2012/01/29
ここちゃん
0
雑誌「話の特集」の編集長。大学時代に夢中になって読んでいた雑誌。その彼がつきあった人をエッセイに書いた本。面白い。読め。読め。2012/02/20