感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばりぼー
42
大昔にごく一部分を読んだだけだったので、この増補版でおさらい。本格ミステリ論としては定番の名著ですが、全く色褪せていません。戦後の本格ミステリがトリック偏重と必然性の軽視に陥り、人間が書けていないという非難を受けたため、本格ミステリの本質を「不合理な謎を論理によって解き明かすこと」と定義し、一貫してトリックよりロジックの重要性を訴えています。「論理のアクロバット」「謎と論理のエンタテイメント」といったキャッチフレーズは都筑氏が考案したもの。これは図書館本ですが、是非購入して手元に置いておきたい本です。2014/05/20
ホームズ
18
面白かった。『名探偵論争』などの追加された部分が良かった(笑)しかし本格ミステリって色々難しく色んな事を考えて読むんだな~って感心してしまった(笑)2012/06/15
ソルト佐藤
14
本格ミステリーついてちょっと思う事があって読んでみる。トリックよりロジック。むしろトリック不要。フーやハウよりホワイがモダーン(当時)ということらしい。雑誌連載のためか、論考がまとまらずにいっている部分もあるけれど、概ねうなずける感。でも、ホワイにつながる魅力的な謎をロジックを通して解く『だけ』でよいのか?やはり、最後のサプライズのためにトリックは必要なのではないか? 島田荘司の本格ミステリー宣言もそうだけれど、冒頭の謎がロジカルにとければ、それで面白い本格ミステリーになるというのはやはり不足している感。2017/12/29
hanchyan@理解はできないが否定もしない
13
え~。巷間“好きになるのに理由は無い”とは申しますが。「え。なんで?なにが良いのどこが?なぜこんなに胸が?」と自分で自分の内面を覗きこもうとするタチでして、だからモテない(笑)、それはともかく。“本格ミステリってそもそもナンなのか何が面白いのか?”ふと考えちゃった時、本著はまるで遭難しかけの冬山で徐々に近づいてくるともし火のよう。こんにちの名だたる本格作家さんがたに多大な影響を与えた本著の主張は要約するとただ一点、「トリックよりロジック」ということ。本格評論のメルクマール、灯台として素晴らしく面白い。2013/04/06
Chocolat
12
随分前に読んだが、増補版が出たと知らなかったので、購入。佐野洋の推理日記は初読で、この為に買ったような感じ。表題の部分は今でも面白い。佐野洋との討論は、謎の解明が好きな都筑道夫と事件が好きな佐野洋の好みといった印象。私は名探偵が好きなので、都筑道夫派。そして小説も圧倒的に都筑派。面白かった。現在の新本格を読んだらどう批評するのかと思った。色々読み返してみようかな。2015/01/31
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