能の友シリーズ
船弁慶

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  • サイズ 46判/ページ数 47p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784939134043
  • NDC分類 773
  • Cコード C3074

内容説明

「船弁慶」は、兄頼朝との不和により、都を追われ、西国へ落ちていく源義経(子方)と弁慶(ワキ)たち主従を中心に据えた前後の二部構成になっています。前段は、義経の愛妾である静御前がシテ(主役)です。静は義経との突然の別れを恨み嘆きつつも、義経の行く末を祈って舞を舞います。白拍子の静は、しっとりとした女性らしさを見せながら義経や弁慶に相対します。艶でありながら聡明な静の姿が、曲の前半を彩ります。剛勇な弁慶に叱咤され、大海原に船出を決行する一行。そこにすかさず登場する船頭(アイ)は船の作り物を持って走り出て、弁慶に、時が来たならばと自分を売り込むなど、その軽妙さで観る者を楽しませます。物語の小休止といったところでしょうか。後段は、にわかに到来した暴風雨で幕を開けます。櫂棹を持った船頭の演技と、強いリズムの囃子による波の描写が緊迫感を高めます。やがて波間から、平家の怨霊たちが浮かび上がってくるのです。長刀をふるって襲いかかるのは、平家の猛将平知盛の亡霊(後シテ)。義経を海に沈めようと激しく迫りますが、弁慶の祈祷の前についに祈り伏せられ、波の泡と消えます。

目次

能のみどころ
物語・船弁慶
「船弁慶」行路マップ
「船弁慶」の面
平知盛
会稽の恥
間狂言と波頭
船弁慶・原文

著者等紹介

川西十人[カワニシトオジン]
東京生まれ。俳人。早稲田大学卒業。能楽全般にわたり、きわめて造詣が深い。能と俳句、能と映画を結びつけた評論に、独自の世界を拓いている。著書に『葵上』『田村』(白竜社)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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