内容説明
東北人の誇りをくすぐり、二十数年間も東北の人々をだまし続けた未曾有の「偽古文書事件」。だますとは?だまされるとは?多角的検証からその真相に迫る。
目次
カルトと「だましの法則」
東北の「歴史改竄」に関係した人々
古物・履歴にみる和田喜八郎氏のほろこび
延暦八年の戦いの「奇想天外な兵士」たち
安倍氏の本拠・衣川と『東日流外三郡誌』
市浦版『東日流外三郡誌』の真相
和田喜八郎氏という人物
『東日流外三郡誌』が生んだ悪影響
『東日流外三郡誌』の現地を歩く
『東日流外三郡誌』訴訟の顛末
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
つばき
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図書館本。郷土愛と中央への敵愾心で目が曇る、ここはまだまだ残っているように思う。歴史好きには頭の痛い話題が偽書を通して分かりやすく書かれている。2020/03/26
hyena_no_papa
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『東日流外三郡誌』について早い時期から、その欺瞞性を指摘してきた千坂[山彦]峰(げんぽう)氏の編集。浅見定雄氏や斎藤隆一氏、山上笙介氏らとの対談は興味深い。また「東日流外三郡誌」登場初期に、その経緯を知っており、一時は偽作者とまで疑われた豊島勝蔵氏と千坂[山彦]峰氏との対談は必読。谷川健一氏の「序」に「『東日流外三郡誌』は、明らかに偽書であり、世人を惑わす妄誕を、おそらく戦後になってから書きつづったものである」と断じているが、その炯眼は特筆すべきものがある。この「序」を読むだけで、おおよその真相が見える。