出版社内容情報
《内容》 うつ病は,周囲から怠けていると思われたり,性格のせいにされることも多く,一般にきちんと理解されていない。そのため,十分な治療を受けずに悪化したり,こじらせたりするケースは非常に多い。うつ病を治すためには,患者本人はもちろん,家族の協力も不可欠である。とくに自殺防止のためには家族全員の連携が必要となってくる。しかし,その家族も苦しんでいる患者にどう対応してよいかわからず悩んでいる。本書は,患者と家族にうつ病を正しく理解してもらい,積極的に治療に参加してもらうためのさまざまな解説をまとめ,患者と家族をどう支援していくべきかをまとめたもの。 《目次》 《うつ病を理解するために》うつ病と診断するにはどのようなことに気をつけるとよいかうつ病の症状にはどんな特徴があるのかうつ病とまぎらわしい慢性疲労症候群とはうつ病になりやすい人がいるのかと聞かれたらうつ病になぜなったのかと聞かれたらうつ病になるきっかけがあるのか子どものうつ病は大人のうつ病とどう違うのかマタニティーブルーとは,産後うつ病とは高齢者のうつ病にはどんな特徴があるのか治りにくいうつ病があるのか《診療にあたって》治るのかと聞かれたらどう説明するとよいか患者が受診を拒むときはうつ病の経過をどう説明するとよいかどのくらいの期間で治るのかと聞かれたときは家族へは最初にどのように説明するとよいかこれからの治療についてどう説明するとよいか再発を防ぐにはどうしてもらうとよいかうつ病は遺伝するのかと聞かれたら家族をどう支えるとよいか《治療にあたって》薬で治るのかと聞かれたら薬物治療の必要性をどう説明するとよいかどのように薬物療法を進めていけばよいのか抗うつ薬の副作用の説明とその対策をどのようにすればよいか抗うつ薬服用中に他の薬剤を併用してもよいのか薬物療法をいつまで続けるとよいのか服薬している患者から挙児希望の相談を受けたら認知療法とはどのようなものかうつ病から躁状態になることがあるのか精神科医に紹介したほうがよい場合とは一般医と精神科医とはいかに連携するとよいか入院を勧める場合とは自殺の前兆をみつけるには自殺を未然に防ぐために医療者はどうすればよいか単身生活の患者を支えていくには《家族へのアドバイス》家族には患者にどのように接してもらうとよいか励ましてはいけない理由をどう説明するとよいかどのように療養したらよいかとたずねられたら睡眠障害にはどう対応してもらうとよいか自殺を未然に防ぐには家族にどうしてもらうとよいか配偶者が看病に疲れたと訴えたときはカウンセリングを受けたいといわれたら回復しかけているとき家族に注意してもらうことは《社会復帰にあたって》職場の上司が直接訪ねてきたらどう対応するか職場の同僚や上司の理解や協力を得るにはどのように説明するとよいか職場にはどのような協力態勢を組んでもらうとよいか職場復帰の時期をどう見極めるとよいか職場復帰のとき患者にどうアドバイスするとよいか職場復帰のアドバイスをするために医療者が心得ておくことは復学のときどうアドバイスすればよいか診断書を作成するときに注意したいことは《資料》患者と家族のためのうつ病に関する参考図書抗うつ薬一覧全国の精神神経科の診療所
内容説明
本書は、うつ病の理解の良否が治療経過に大きく影響することをふまえて「人それぞれ、診療それぞれ」の立場から、患者や家族を前にして、どのように診療を進めていくのかを具体的に示し、うつ病にかかわる人を支援できるようにまとめたものです。
目次
うつ病を理解するために
診療にあたって
治療にあたって
家族へのアドバイス
社会復帰にあたって