出版社内容情報
上代語は八母音だったのか、従来の定説に大きな衝撃を投げかけた論の決定版を含む著者の著書。言語学者ばかりでなく、上代文学に関心を持つ人々の必読書。詳細な語彙索引を付す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
terve
27
再読。何度読んでも松本先生の五母音説には驚かされます。しかし、改めて読んでみると、語根(最小単位?単語?)の基準が曖昧であるという点もあります。その辺りは福田先生の著作に対する疑念も持っているようですが、それを押し切ってのオ列甲類音の法則を立てるという点に矛盾を覚えます。また、オ列音に関して異音を主張しますが、例外がある以上異音と片付けるわけにはいかないのではないかと…。しかし、松本先生の最大の功績は、新たな視点の提示。これに勝るものはないかと。私は、松本先生の五母音説が最もしっくりきますね。2020/04/19