内容説明
文学作品・日記・書簡等を通して過去の病人を、300人を超えるインタビューを通して現代の病人を、社会史・心性史・身体論・社会学の視点から総合的に分析。
目次
1 病気と病人(病いの旧体制―伝染病;肺結核から結核へ;記憶と忘却の領域;現代生活の病い)
2 病気の解読と解釈(醜い身体から病いの空間へ;病因から意味へ)
3 病人のアイデンティティー(宿命あるいは病人なき病い;過ちの重圧―罪人と悔悛者;梅毒患者―過ちを犯した身体;無為から病気になる権利へ;治療する者‐治療される者、病人と医学;養生する者から健康の義務へ)
現代の病い、エイズをめぐって
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
8
「現代の病人という、この「個人」の特殊な相貌は、人間と社会的なもののあいだにある関係の他の側面図も示してくれる。病気は、本質的に健全なわれわれの本性を侵す「有害な」社会のライフスタイルによって生み出される、というひろく流布している考え方において、文字どおり断罪されるのはつねに社会的なものなのである…現在では、一般のひとびとのなかでもうんざりするほど出会うこのような考えは、たとえば環境保護運動のイデオロギー的基盤のひとつになっているし、ある種の病人に…見られる、医学にたいする拒否の態度の根拠にもなっている」2022/04/10