世界史の中のマラリア―微生物学者の視点から

世界史の中のマラリア―微生物学者の視点から

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  • サイズ A5判/ページ数 237p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784938661212
  • NDC分類 493.88
  • Cコード C1020

内容説明

微生物学の権威が、世界史の中のマラリアの変遷を通して人間と病の関係を問うた書下し問題作。近代医学の選択―病気の撲滅―は正しかったか・

目次

1 古代・中世のマラリア(大河のほとりの熱病;一片の龍骨から;諸病の王;エンペドクレスの奇跡;巨大帝国を倒したもの;黒死病の陰で;大航海の果てに)
2 近代・現代のマラリア(「生命の樹」の伝説;鉄砲とキナノキ;近代社会の形成とマラリア;顕微鏡下のドラマ;夢の新薬を求めて;マラリアと現代)
補 日本のマラリア(湖畔の熱病;「おこり」と藪医者;近代日本のマラリア;戦後社会とマラリア)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

39
【コロナ46】マラリアの病原体は寄生虫(単細胞の原虫)で蚊が媒介する。致死率はそう高くはないが、周期的に発熱し、免疫を獲得しないので何度も再発する。周期的な熱病ならマラリアが疑われる。「イリアス」やゲーテ「ファウスト」に暗示されるなど古来、というか人類の誕生から共生していた最も古い病原体の一つといえる。本書はマラリアの視点から世界史を眺めたものだ。天然痘といわれるアントニヌスの疫病にも、中世の黒死病(ペスト)にも陰には常にマラリアがいた。アウグストゥスもダンテも死因はマラリアだった。パンデミックは起こ↓2020/08/22

町営バス

2
征服と狂乱の歴史はマラリアとともに形作られていたことがはっきりと理解できる。マラリアの流行は現代でも消滅していないことは、非常に示唆に富む。天然痘における完勝は再現しそうにない。人間は現代にあってもマラリアに対する「錆びついた勝利」を得ることしかできない。2021/07/31

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