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Bourdieu library
ディスタンクシオン―社会的判断力批判〈2〉

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  • サイズ A5判/ページ数 492p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784938661069
  • NDC分類 361
  • Cコード C1030

内容説明

絵画、音楽、映画、読渚、部屋、料理、服装、レジャー、スポーツ、友人、しぐさ、意見、結婚…。毎日の暮らしの理屈ではない行為の中の見えない権力・階級化原理を独自の概念で鋭く緻密に分析する今世紀人文・社会科学、最高の成果。

目次

第3部 階級の趣味と生活様式(卓越化の感覚―支配階級;文化的善意―中間階級;必要なものの選択―庶民階級;文化と政治;階級と分類;「純粋」批評の「通俗的」批判のために)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

28
「追記」で哲学や美学の言葉を使っていないことへの反論として、それらの言葉を使うこと自体がハビトゥスを示してしまい、著者として観察者の視点を確保するという問題意識を持ちつつ、これだけ回りくどい書き方をしてしまうハビトゥスの身体化を最後に著者が示しているという皮肉が効いています。文化資本という比喩で明らかな様に、工業モデルによる分析は、現代では当てはまらないのではないかという気もします。戦後日本における最大のハビトゥスといえばTVですが、むしろTVの視聴が階級差を埋めているという分析が妥当ではないでしょうか。2020/12/28

きいち

13
痛、イタタタ。確かに自分、そうかも…と思わず自分や家族、親しい人々の顔を思い浮かべながら読んだ。文化的な趣味や美的感覚、政治的な意見などの個人の生き様が、金や学歴、人間関係の持ち方、そしてそれをできるだけ大きくしたいという思いにいかに引きずられてるのか、シビアに説き明かされていく。痛いとまで感じるのは2巻になって具体的な人物像が次々と現れ、距離感をつかみやすくなってるため。◇自らの価値観が環境による刷り込みや自己正当化によるものじゃないか?という疑いが持てるお陰で、かえって自由になれた気もする。2013/06/21

やまやま

12
実例を丁寧に挙げてフランスにおける各階級の趣味を示してくれているのは大変興味深いです。もう四十年前の出来事で、趣味を懐かしむとは言えず知らないことばかりですが、哲学部分はほっておいてルポルタージュあるいは聞き書きとしてつまみ読みしますと、いくつかの事柄は知っている限りのフランス人類型とよく合致しました。ところで、サブタイトルの「社会的判断力批判」はカントの「判断力批判」という書名の利用を図ったようです。哲学の批判と社会学での批判は概ね同義と思えるかもしれませんが、社会的を付すとだいぶ感じが違います。2021/01/31

星規夫

4
自分は文化資本に恵まれていなかったのだなあ、と少しばかり暗い気分になる。かと言って、今から必死こいて勉強したところで、この本で言うところの支配階級には絶対に及ばない。俺はどうすればいいんだ……と絶望に支配されそうになるが、よくよく考えると、別に支配階級の仲間入りを果たすことが人生の全てではない。正統文化だとか教養だとかに惑わされず、自分の好きなことを追求すれば良いのだ。それすら規定されていたとしても。2013/01/31

よく読む

2
ようやく読み切った。難解で読みづらかったので40%ほどしかわからなかったかもしれない。フランスが日本に比べてはるかに階級意識の強い国だとわかった。国民がほとんど中産階級の自覚ある日本人には少しわかりにくいかもしれない。卓越化と上層思考によって、上流の正当性はアップグレードし続けるとのことであった。人々は、箸の持ち方や座り方などの所作から、無数の階級を瞬時に判別し、客体化を行い、階級の空間に位置づける。本書では、階級は主に学歴、文化資本から特徴づけられるが、他にも経済資本など様々な複雑な要因に決定される。2021/12/21

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