著者等紹介
狩野博幸[カノヒロユキ]
1947年福岡生まれ。九州大学卒、同大学院文学研究科博士課程中途退学、日本近世美術史専攻。帝塚山大学助教授、京都国立博物館研究官を経て、同志社大学大学院文化情報学研究科教授
西村和子[ニシムラカズコ]
1940年東京生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修了・理学修士。東京芸術大学美術学部中途退学。現在、川村学園女子大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mocha
98
この絵本シリーズは判型が大きくて、絵をしっかり楽しめるところが良い。想像で描いた象と鯨はとてもユーモラス。でもやっぱり、デッサンを重ねた鶏の迫力は、若冲の真骨頂。晩年の枯れた感じの墨色の世界も素晴らしい。若冲の生涯についても語られているので、学校の美術の時間にでも紹介してほしい。いつもと違う読み聞かせに使ってもいいかも。2017/10/04
シャトル
44
先日、展覧会で実際に観た作品が何点か収録されている。160cm×360cmの大作「象と鯨図屏風・六曲一双」江戸時代に2頭の象がベトナムから輸入され長崎〜江戸の移動途中に、京都にて若冲青年は実際に「象」を見物していたのでは?「ふむふむ・・」実に興味深い。「勉強嫌いの怠け者。人付き合いが悪く、仕事もせず家にこもって絵ばかり描いていた変わり者」江戸期の人気絵師は相当なオタクだったようだ。 2015/05/06「若冲と蕪村展」鑑賞@サントリー美術館2015/05/28
モリー
38
美術館で見た若冲の絵をもう一度見たくなり手に取りました。実物にはかないませんが、大判の本なので見応えはあります。絵にまつわる様々なエピソードから若冲の人柄を知る事ができた事が収穫でした。あるとき、雀が売られているのを見て、「焼き鳥にされてはかわいそうだ」と、全部買って空に放した逸話は、レオナルド・ダ・ヴィンチにも似たような逸話があったような。2019/05/30
てんちゃん
31
この絵本は大型版で高画質。説明は小学生向けで分かりやすいのですが、さりげなく最近の研究で分かったことも織り込んでくれてるので、かなり満足いく本でした。絵ばかり描いてた変り者といったイメージのある若冲ですが、動植綵絵を描き上げた後、四年間筆を置き、市場の店々を助けようと、役人との交渉に奔走していたとは。なかなかいい人ではありませんか。『若冲のまいごの象』という題名、若冲が描いた象と鯨の屏風絵が80年以上前から行方不明になっていることを指して付けられた題名です。貴重な絵画、無事に見つかって欲しいです。2018/09/03
けんちゃん
25
伊藤若冲の生誕日に絵本ナビから紹介していただきました。名前しか知らない日本画家ですが、とても気になっていました。タイトルから、ストーリー性のあるものかと思いましたが、若冲の生涯と作品についてのわかりやすい解説です。ビビッドで写実的な絵、ちょっとコミカルな墨絵など、幅広い手法の作品の数々です。言葉がやわらかく、かなを多用しているので、小学校低学年でも読めると思いますが、内容的には高学年以上向きかな。若冲入門書として、オススメです。2012/02/10
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