多孔質体の性質とその応用技術

多孔質体の性質とその応用技術

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  • サイズ B5判/ページ数 1186/高さ 27cm
  • 商品コード 9784938555696

出版社内容情報

- 多孔質体の製法と多孔質体の特徴的性質を発現させる、製造上のノーハウを紹介し、実用上の注意なども解説-



 ■ 監修 ■

 竹内 雍/明治大学理工学部工業化学科教授



基礎編

第 1 章 概論

第 2 章 多孔質体の製法

第 1 節 概説
第 2 節 無機質多孔質体
第 3 節 有機質多孔質体
第 4 節 複合多孔質体

第 3 章 多孔質体の物理的および化学的性質とその測定法

第 1 節 概説
第 2 節 多孔質体の基本物性とその測定法
第 3 節 多孔質体の幾何学的および形態学的構造とそれらの観察法
第 4 節 多孔質体の透過性・ろ過性
第 5 節 多孔質体における吸着、拡散とその測定法
第 6 節 多孔質体の化学的性質とその測定法
第 7 節 多孔質体の機械的性質とその測定方法
第 8 節 多孔質体の熱的性質と測定法
第 9 節 音響学的性質と測定方法
第10節 光学的性質とその測定法

応用編

第 1 章 概論

第 2 章 吸着材としての成分分離への応用

第 1 節 概説
第 2 節 炭素質吸着材の利用
第 3 節 ゼオライト吸着剤の利用
第 4 節 合成吸着剤の性質とその分離への応用
第 5 節 PSA操作を用いたガス分離
第 6 節 水処理への吸着剤の利用
第 7 節 家庭用浄水器への応用
第 8 節 空気中の有害ガス除去

第 3 章 固体触媒・担体としての科学反応プロセスへの応用

第 1 節 概説
第 2 節 石油精製プロセスへの応用
第 3 節 石油科学における応用
第 4 節 有機合成触媒としてのゼオライト
第 5 節 環境保全への応用
第 6 節 自動車用触媒への応用
第 7 節 その他の触媒への多孔質体の応用

第 4 章 分離・精製への利用

第 1 節 概説
第 2 節 高分子材料によるガス分離・濃縮
第 3 節 高分子材料による液体の分離
第 4 節 膜を用いた廃水処埋
第 5 節 無機膜の分離への利用
第 6 節 イオン交換膜
第 7 節 イオン交換樹脂
第 8 節 イオン交換繊維

第 5 章 クロマトグラフィーへの応用

第 1 節 クロマトグラフィーについて
第 2 節 吸着クロマトグラフィー
第 3 節 分配クロマトグラフィー
第 4 節 サイズ排除クロマトグラフィー
第 5 節 イオン交換クロマトグラフィー
第 6 節 アフィニティークロマトグラフィー
第 7 節 高速液体クロマトグラフィー充填剤の開発と応用

第 6 章 ろ材としての応用

第 1 節 概説
第 2 節 ろ過布・ろ材
第 3 節 金属繊維のろ材
第 4 節 焼結金属ろ材

第 7 章 電池への応用

第 1 節 概説
第 2 節 燃科電池への応用
第 3 節 活性炭リチウムの二次電池負極材としての応用
第 4 節 その他の応用

第 8 章 耐火物としての応用

第 1 節 概説
第 2 節 耐火・断熱材
第 3 節 アルミニウム工業におけるケイ酸力ルシウム材料の応用
第 4 節 耐スポーリング性材料としての多孔質体の利用

第 9 章 生物処理・発酵工業への応用

第 1 節 概説
第 2 節 酸素固定化または細胞担体としての利用
第 3 節 菌体や酵素の分離への応用

第10章 医療・アメニティ産業への応用

第 1 節 概説
第 2 節 血液浄化膜としての利用
第 3 節 人工肺(中空糸膜型人工肺)
第 4 節 抗血栓性賦与のための処理
第 5 節 酸素富化機器への利用(膜法と吸着法)
第 6 節 コンタクトレンズ
第 7 節 生体親和性水酸アパタイト
第 8 節 除放性医薬(コントロ-ル・リリース)担体
第 9 節 無機系抗菌剤
第10節 高分子ゲル材料による胸部整姿用人エパッド

第11章 農業・園芸への応用

第 1 節 概説
第 2 節 土壌改良への多孔質体資材の利用
第 3 節 吸着材・担体材としての利用

第12章 土木・建築分野での応用

第 1 節 概説
第 2 節 建材としての応用
第 3 節 土木分野での応用

第13章 緩衝材としての応用

第 1 節 概説
第 2 節 自動車用部品への多孔質体の応用
第 3 節 各種の緩衝性材料
第 4 節 包装材科

第14章 航空・宇宙構造材としての応用

第 1 節 軽量高強度材としての応用
第 2 節 高温断熱・熱遮蔽材としてのロケット宇宙往還機への利用
第 3 節 極低温断熱材としての利用

第15章 含油軸受部品、摩擦材への応用

第 1 節 概説
第 2 節 焼結含油軸受と焼結金属摩擦材
第 3 節 多孔質体の摩擦材料への応用

第16章 原子力工業における利用

★発刊にあたって

 多孔質体とは内部に大小さまざまな孔をもつ固体の総称であって、多孔体、多孔質固体、多孔材料とも呼ばれ、孔のない(つまり無孔質の)固体とは種々異 なる性質をもつ。それは単に孔があるためばかりでなく、孔の存在によリ固体構造自体に変化が生じるためでもあり、また孔の表面の微細構造がもたらす一種 の界面現象によるものでもある。
 そのため、多孔質体はかなり前から科学者や工学者の興味をひき、研究対象となってきたが、実用的にもその特異な性質を利用して、軽量骨材、耐火物や 断熱材、緩衝材、吸音材などとして、あるいは吸着材(吸着剤)、触媒または触媒担体として多方面にわたって使用されてきた。現在は、さらに日常生活におけ る快適さの追求、工業的にはハイテク指向に呼応して多孔質体の重要性はますます高まっている。
 しかしながら、多孔質体の製法、性質およぴ利用法を総合的にまとめた専門書は少ないように思われる。そこで、多孔質体の構造とそれに由来する性質、さ らにそのような構造や性質を備えた材料の製法を種々の視点に立って説明し、応用技術を集大成し、多孔質体の一層の利用促進に供する目的で本書の刊行 を企画した。読者の対象は、主に企業の技術者としたが、大学や国公立研究機関の研究者の便も考えた。また、一般の読者も対象に考えて、日常的な話題も 取り上げてみた。
 編集に当たっては、編集委員会で論議を重ねて内容構成案を作成し、第一線の研究者・技術者に執筆をお願いしたので、いささか自信をもって世に送るものである。

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