感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
5
見えないものが急に見えたのか?そう見ようとして見えたのか?発見の場面では両者は区別できない。精密科学において排除できないこの不確定性を著者は直観と呼ぶ。一方、著者はこの直観を経験的な「勘」と区別して「孤独な内感」と呼び、厳密な論理に不確定な余地を見出して想像力を参入させる役割(潜入)を担わせる。著者は科学を実在の手がかりを基礎とする「観察の拡張」としたが、発見は科学の因果律を崩し、結果から原因に遡行する時に起こる。C・S・パースが論理ネットワークとして世界を構想する際に基礎としたアブダクションをふと思う。2020/08/26
ズラ
0
一般には、『暗黙知の次元』等で有名な著者による、表題となっている『創造的想像力』を含む評論集。現代社会で生きるうえで科学そのものに対する理解は不可欠であり、本書はそのことを考えさせてくれる。誤植が多いのが残念。2010/06/19