内容説明
1945年から見続けた戦後演劇。その中の何かが1979年の時点で終わったと感じる。本書において、その何かが、いわば戦後演劇の本質が、演劇を通して表現された日本の戦後精神の一断面があざやかに呈示される。
目次
1 変革期の歴史と対決―木下順二「風浪」
2 華麗多彩な人間模様―田中千禾夫「肥前風土記」
3 虚構の世界へ誘導―「薔薇と海賊」と「幽霊はここにいる」
4 近代と前近代のはざま―シェイクスピア「ハムレット」
5 安保闘争のあとに―「伐る勿れ樹を」と「日本の夜と霧」
6 同時代を生きる作家―宮本研「ザ・パイロット」など
7 状況を突きやぶる行為―「白い夜の宴」から「われら将門」へ
8 1つの時代の終わり―井上ひさし「しみじみ日本・乃木大将」