出版社内容情報
《内容》 ▼ヒトの運動中の代謝を理解するには,分子的アプローチが必要不可欠であり,現代の運動生理学を理解する前段階として,そのようなアプローチが益々重要になっている.
▼本書の主なねらいは,運動科学に携わる人たちが分子レベルで運動を理解し,最新の記事を読み理解することができるようになるために必要な生化学の基礎を示すことである.
▼随所にキーポイントをあげ,重要な単語や概念を強調し,各章に練習問題を設けた.さらに,包括的な文献リストと用語集,略語リストも収録した.
▼これから運動生化学を勉強したいと思っている人には非常に便利で役に立つ本である.
《目次》
PART I 主要構成物質
第1章 アミノ酸,ペプチド,タンパク質:アミノ酸の特徴/ペプチドの特性/タンパク質の構造/まとめ
第2章 酵 素:触媒としての酵素/酵素反応速度/酵素阻害/酵素活性の調節/補因子による反応基の供給/酸化還元反応/酵素活性の測定/まとめ
第3章 ヌクレオチド,DNA,RNA:ヌクレオチド/DNA/RNA/まとめ
PART II 代 謝
第4章 生体エネルギー論:自由エネルギーの概念/高エネルギーリン酸/筋収縮/3つのエネルギー機構/まとめ
第5章 酸化的リン酸化:代謝の概要/ミトコンドリア/酸化的リン酸化の概要/トリカルボン酸回路の役割/トリカルボン酸回路の反応/電子の伝達/共役したリン酸化/ATP,ADPおよびPiのミトコンドリア輸送/酸化的リン酸化の制御/まとめ
第6章 糖質の代謝:糖質/細胞によるグルコースの取り込み/グルコースのリン酸化/解糖系/グリコーゲン代謝/グリコーゲン代謝の調節/運動中の糖質代謝/細胞質のNADHの酸化/糖新生/糖新生の調節/ペントースリン酸経路/まとめ
第7章 脂質代謝:脂質の種類/脂肪貯蔵/脂肪酸の酸化/ケトン体の酸化/脂肪酸の合成/運動時の燃料としての脂肪/運動時の代謝:糖質対脂肪/コレステロール/まとめ
第8章 アミノ酸代謝:アミノ酸代謝の概観/アミノ酸の分解/尿素回路/アミノ酸炭素骨格の代謝/運動時のアミノ酸代謝/まとめ
PART III 転写,タンパク質の合成および分解
第9章 転写とその制御:RNAの種類/遺伝暗号/転 写/転写の制御/まとめ
第10章 タンパク質の合成と分解:RNAの転写後修飾/翻訳/翻訳の調節/ポリペプチド鎖の翻訳後の修飾/タンパク質の分解/まとめ
文献/生化学分野で使われる略語/用語解説/索引
内容説明
近年、運動生化学や運動分子生物学の研究手法を用いた研究が盛んに行われている。これらはとくにエネルギー代謝や組織構築に関与する生体物質の増減や変換など、生理的機能と密接に関係する物質に着目した研究である。たとえば、速筋線維と遅筋線維の収縮速度や収縮力などの生理的機能は、収縮タンパク質であるミオシン分子や調整タンパク質であるトロポニンやトロポミオシン分子のアイソフォームの違いなどから説明される。本書は、これらの現象を考えるうえで基本となる項目が簡潔にまとめられ、運動に関する生化学的問題点や方向性についてもその指針が示されている。
目次
1 主要構成物質(アミノ酸、ペプチド、タンパク質;酵素;ヌクレオチド、DNA、RNA)
2 代謝(生体エネルギー論;酸化的リン酸化;糖質の代謝 ほか)
3 転写、タンパク質の合成および分解(転写とその制御;タンパク質の合成と分解)
著者等紹介
山田茂[ヤマダシゲル]
東京大学大学院生命環境科学系身体運動科学助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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