内容説明
昭和58年NHKで「おしん」が人々の涙を誘っていた。そんな時代に民放では「夕ぐれ族」筒見待子が大ブレーク。愛人バンク33年目の真実が、いま明かされる!
目次
第1部 愛人の蜜を吸う“風俗ライターの体験レポート”(一人目…山田美加の場合;二人目…斎藤ルリ子の場合 ほか)
第2部 愛人バンク33年目の真実(「愛人バンク」その名のルーツは「未来バンク」「市民バンク」だった!;川上宗薫も認めた男に精気を与える「愛人バンク」というシステム)
第3部 戦後シロウト風俗の系譜(ピンクサロン―ルーツは大阪・千日前のアルバイトサロン;ノーパン喫茶―女の子はナマ尻ではなくパンスト着用だった ほか)
第4部 戦後「性」の日本史ダイジェスト「シロウト編」(“敗戦~朝鮮戦争前夜”女たちは星の流れに身を占い…;“朝鮮戦争~売春防止法施行”「原色の街」で生きる娼婦たち ほか)
著者等紹介
伊藤裕作[イトウユウサク]
1950(昭和25)年2月、三重県津市生まれ。早稲田大学教育学部を7年かけて卒業後、風俗を主たるフィールドにしたフリーの文筆業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nadaha
6
愛人バンクとかいうトチ狂ったものが過去に存在した。その発生経緯と顛末を素人女性が性風俗業界に流入してきた風俗史を交えつつ語られる。売買春は社会悪としてやり玉に挙げられる一方で、ラクチョウのお時のセリフからもわかるように、貧困女性の最後のセーフティネットであった。それが、そこらの困窮からは程遠い素人女性がお小遣い稼ぎに入ってくるようになった。ノーパン喫茶などのソフトなモノから本格的な風俗へ流入してきた過渡期に現れたのが愛人バンク。もちろん摘発されるわけだけど、時代を感じるよなぁ。2016/11/27
ウェイランド
3
80年代に素人を愛人として斡旋してた愛人バンク「夕ぐれ族」と、それを含めた素人風俗の系譜についての本。夕ぐれ族について知らなかったから面白かったが、体験レポはやや冗長だった。2016/05/21
Meroe
2
風俗業の取り締まり強化に伴い愛人バンクという業種があらわれた。愛人バンク利用記、愛人バンクという業種の顛末、「素人」売春(と性サービス)の歴史。売春する女性だけを問題としてとりあげ買春する男性(自分自身!)をとりあげないの、女性側の理由は問題となるけど「男が(金を払って)(より若い/より美しい)女を求めるのは当然のことだ」という考えがあるからだろうか、きつい。愛人バンクとはつまり援助交際の仲介なのだけど、掲載されている手描きのパンフレットがかなり風情ある。2015年。2016/01/20
ナツ
1
数十年前の時代の話だが、性産業というのは今も変わらずアイデア勝負だなぁと思う。 この本のメインの愛人バンクが元になった風俗は今も健在だし、ノーパン喫茶や覗き部屋など最初の発想は凄いと思う!このアイデアや思い付きを外の分野でも発揮出来れば世の中も大分変わるだろうなぁ!! 風俗ライターが結構昔からいてたのにもビックリ。2016/03/24