内容説明
多くの人びとが被差別部落を語り、ある像(イメージ)を構築してきた。特定の被差別部落のある部分を「科学」が繰り返し記述したことで、それは定説として構築された。被差別部落民と産業や職業との関係、あるいは芸能をめぐる関係性は、そのもっとも顕著な表象である。本著は、それが構築されるプロセスと、そこに介在する権力作用をうかびあがらせる。
目次
第1部 被差別部落民を生かす権力装置(国民を自覚する装置―部落問題研究の新たな枠組みのために;日本帝国主義下の被差別部落―福島町一致協会と融和主義をめぐって;1930年代山本政夫の思想―『融和事業研究』論文を中心として;労働による被差別部落民の保護と統治―融和運動と権力)
第2部 「部落産業」にかんする「科学的」言説批判(「部落産業」論批判;広島地域の屠畜・製革製靴産業具体像;被差別部落と竹細工にかんする言説批判;「部落産業」の今;「被差別部落の文化」言説の批判的研究―いわゆる門付きの音楽社会学的分析)
第3部 現代の部落差別解釈と理論的問題(静かな部落差別―ネオ・リベラリズムと差別の再生産;差別と生と通俗道徳―闘わなかったある被差別部落民一族の自立;他者の他者の創出―不安定化する地域と少数点在型の被差別部落の分析)
著者等紹介
小早川明良[コバヤカワアキラ]
特定非営利活動法人社会理論・動態研究所理事・研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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