内容説明
なぜ人を傷つける言葉があるのか。ヘイトスピーチと差別表現の違い。抗議されたあらゆる事例を検証、「いい換えマニュアル」「禁句集」ではなく、「なぜそれが差別表現なのか」を解説。
目次
1 基礎編(差別語;不快語;差別語と差別表現;避けたい差別語・不快語の使用;ヘイトスピーチ;まとめ)
2 実践編(差別語;不快語)
3 具体的な対応策(抗議を受けたときにどう向きあうか(差別表現問題解決の基本)
「断り書き」について)
著者等紹介
小林健治[コバヤシケンジ]
1950年岡山県生まれ。1980年から、部落解放同盟糾弾闘争本部の一員として、出版・新聞・テレビにおける差別表現事件にとりくむ。現にんげん出版代表
辛淑玉[シンスゴ]
人材育成コンサルタント。1959年生まれ。人材育成、人権・男女共同参画に関わる研修・講演を行うかたわら、構造的弱者支援のための活動を実践。ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク・のりこえねっと共同代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タルシル📖ヨムノスキー
23
ただ差別語とその言い換えを挙げるだけではなく、その言葉の歴史的背景や具体的に問題となった事例などがわかりやすく解説されていて、色々考えさせられました。やはり問題は、物事の本質を捉えようという努力を怠ったまま、とりあえず問題が起きないように隠してしまうことだと思います。私もこうやって人目に触れるところで駄文を書き連ねている身なので、自分の発した言葉にはきちんと責任を待てるようにしたいと思います。難しく考えがちですが、要は「自分が言われて嫌なことは言わない」ただそれだけ。沢山の人に手にとってほしい一冊です。2020/08/01
香菜子(かなこ・Kanako)
11
最新 差別語・不快語。女性差別、人種差別、国籍差別、障害者差別、どんな差別であれ、差別自体あってはならないこと。差別の定義は難しいけれど、差別される立場の人が少しでも被差別意識を持った時点でそれは差別なのだろうと思う。自分が見ず知らずのうちに醜悪な差別発言をしないためには、差別語・不快語を予め学んでおくのも大切。 2018/01/28
OjohmbonX
3
差別語にはニュートラル(本義)/ネガティブ(賤称)/ポジティブ(尊称)の三相が時間経過(や社会的な構造)によって生じてくるが、この三相を同時に見ないと、差別に加担したり、逆に過剰で機械的な抑制で言葉狩りになってしまったりする。本書は広範なジャンルの差別語について、その言葉がどういう経緯で差別語となっていったのか、どういう批判や指摘がなされてきたのかを具体的・網羅的に説明してくれて、この三相をより正確に把握し、言葉のより適切な選択の判断に有用だと感じた。2024/05/04
こじこ
1
自分の無知を恥じるための本2024/07/26
ともみ
0
意外と面白かった。使っちゃダメな用語の羅列ではなく、その裏側にある人々の思いや歴史的経緯が垣間見られて勉強になった。『破戒』の与えた影響についての記述が興味深かった。2022/11/02