内容説明
フロンフロンは、おがわのむこうがわにくらすミュゼットと、とてもなかよし。あるひせんそうがはじまり、おがわのほうには、いばらのかきねがはられてしまいました。もうミュゼットにあうことができません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
42
表紙からは想像もできない戦争の絵本でした。エルズピエタさんがポーランド人でドイツ領だったアルザス育ちと知り、より著者の戦争忌避の気持ちが伝わってきました。フロンフロンとミュゼットは将来は結婚したい相手と思っている仲良し。しかし、ある日を境に行き来も出来なくなってしまいます。子どもにとっての、子を持つ親にとっての戦争の理不尽さが胸に迫ります。最後、ミュゼットの勇気により胸熱。2023/07/05
oldman獺祭魚翁
42
今日・明日にも大人たちのエゴで戦争が起きそうな日に読みました。 なぜまた大勢のフロンフロンとミュゼットを作り出すのでしょうか? いくら住民を避難させても同じです。世界中から「いばらのかきね」が無くなれば良いのに…… ちょっと長い感想はこちらです。⇒https://www.honzuki.jp/book/305011/review/272704/2022/02/19
新田新一
27
子供の視点から戦争の悲惨さを描いた絵本です。胸に迫る傑作。うさぎのフロンフロンとミュゼットは友達同士です。急に戦争がはじまり、いばらの垣根が張られて二匹は会えなくなってしまいました。戦争のことがよく分からないフロンフロンは、いばらの垣根をぼくが取り除いて、ミュゼットに会いに行くと言い張りますが、お母さんに止められてしまいます。フロンフロンのような経験をした子供は、世界中にたくさんいるでしょう。その意味でこの絵本は普遍性があります。作者はボーランド出身。自分の経験が物語の中に昇華されていると思います。2024/08/11
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
22
小川をはさんでお向かいさんのフロンフロンとミュゼットは、将来結婚したいほど仲良し。ところがある日、二人は遊べなくなるどころか会えなくなってしまいました。それは戦争…。フロンフロンのパパも戦場へ連れていかれました。子どものどうして?に答えるママ、でも答えにつまります。帰ってきたパパはケガをし、フロンフロンのどうして?に答えてくれます。戦争は終わったのではなく、今は大人しくしているという。暴れださないように気をつけなければ…。【行き違いから考える平和】2021/05/21
かもめ通信
13
関東地方にも雪が降った日、朔北社さんがツイートで紹介していた「雪の表紙」の絵本は、子どもの視線で戦争を描く本だった。2022/02/13