内容説明
「表現教育」はまだまだ世間には知られていません。しかし、子どもたちに投げかける影響は、池に落ちたひとつの小さな雫がおこす波紋のように、静かに大きく広がっていくだけの力はあると思います。将来いい学校や企業に入るための知識だけでなく、日常生活で必要とされる生きていく術、社会で人々と共存していくための力、コミュニケーション能力などを身につけることができるのが表現教育です。第1章として、子どもと舞台芸術「出会いのフォーラム2001」にて行われた岡田陽氏による基調講演「こどもにとっての舞台芸術の意味を考える」の講義録を元に加筆修正したものを掲載しました。第2章では、学校での学びの特殊性に焦点をあて、今学校で求められているもの―新しい学力観―を実践するために、実演家が授業に関わることの有効性について述べています。第3章では、これまで各シリーズで執筆者が述べてきたことを振返りつつ、子どもたちに表現教育を行うことの意義について考えてみました。
目次
1 子どもにとっての「芸術」の意味
2 教室のなかの異邦人―実演家の役割と学校の可能性
3 「表現教育」はなぜあるのか