内容説明
本書は、「世界水準」の受容という視座の下で、特に「組織犯罪」および「コンピュータ犯罪」に着目しつつ、二千年紀のわが国のカード濫用犯罪に対する刑法と刑事政策の在り方について模索したものである。もっとも、わが国の判例・学説を対象として立法論を直接に展開したものではなく、外国法との比較研究として、現行刑法への影響力が特に強く、かつ今なお現金取引が主流である点でも日本と共通するドイツ刑法の犯罪規定と裁判例を本書は、考察の対象とした。
目次
第1章 新千年紀カード犯罪の新課題
第2章 わが国におけるカード濫用の要因と対策
第3章 ドイツにおけるカード偽造と組織犯罪
第4章 カード濫用による財産領得と背任―第二次経済犯罪対策法導入をめぐる裁判例
第5章 カード濫用罪とコンピュータ詐欺罪―第二次経済犯罪対策法施行後の裁判例