感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えすてい
5
国鉄民営化直後に刊行された「国鉄讃歌」である。永遠の国鉄に早くも郷愁を求める風情で、陸蒸気から最新の新幹線まで、「鉄道は国家なり」を名実ともに知らしめてきた国鉄のプライドを、車両は二の次で、作家や詩人の綴ったエッセイや詩を添えて、「日常にあった風景」「旅先でふと見た光景 「同じ釜の飯を食う国鉄職員の裸の付き合い」を散りばめている。莫大な赤字や政治闘争は抜きにして、日本の近代化・高度成長の象徴として「鉄道は国家なり」の国鉄は、「国鉄」という言葉があるだけで他の私鉄や公営にはない貫禄が一目で思い浮かぶのだ。2024/09/05