目次
プロローグ いま、なぜ731部隊なのか
第1章 731部隊林口支部長の証言―「細菌戦は対ソ戦略の主武器だった」
第2章 731部隊日本人隊員の告白―「こうしてマルタの生体実験が行われた」
第3章 731部隊の中国側関係者の証言―「私たちは秘密のマルタを見た」
あとがきにかえて 731部隊の再来を防げ
感想・レビュー
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主将ペンギン
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太平洋戦争時に中国満州で暗躍した731部隊についてのルポルタージュ。中国で見つかった告白調書や証言を元に全貌を解き明かそうとしている。幹部達は生き残って免責され、戦後も企業や大学で重職についているにもかかわらず、下級将校たちはシベリア勾留や中国の裁判など大変な辛苦を経験している。血液製剤で問題を起こしたミドリ十字の設立に部隊関係者が関わっていたことは、いかに戦争時の罪の意識が希薄であったかを示しているのではないか。戦争でも一般社会でも、巨悪はしぶとく生き残り、割りを食うのは庶民であることがよくわかる。2020/08/01