内容説明
本書は司法試験の必須科目である刑法の刑法総論にあたる部分を取り扱っている。本書には以下のような5つの特色をもたせている。(1)刑法の2大理論である「行為無価値論」、「結果無価値論」を意識しながら、対論を構成している。(2)難解な刑法総論の重要テーマを、実務家との対談・議論を通じて検証している。(3)各章末に、おさえねばならない重要ポイントを要約し提示した。(4)難解な専門用語には、注を設けた。(5)司法試験とは、合格に必要な最小限の知識を有効に駆使すれば合格する試験であることを説いている。
目次
第1章 未遂犯に関する総論、実行の着手時期、間接正犯における実行の着手時期、中止犯(末遂が処罰されるのは、結果発生の具体的危険性を内包しているからだ。;実行の着手時期に関する学説は、実質的客観説の行為説と結果説の差異に注異する。 ほか)
第2章 共犯の処罰根拠論、未遂の教唆、幇助の因果性、共犯と中止犯、共犯からの離脱、結果的加重犯の共同正犯、結果的加重犯の教唆、過失教唆(共犯処罰の根拠に関する学説の論理構成をしっかり把握しよう。;アジャン・プロヴォカトゥールの処理に関しては、修正惹起説内部でも学説が対立している。 ほか)
第3章 司法試験と人生(私は、性格的に勤め人はつとまらない。司法試験を受験しようと思ったのは、そんな理由からでした。;大学一年の夏頃、司法試験受験を一度あきらめた。受験への気持ちが再燃したのは、高校時代の同級生の影響です。 ほか)
第4章 本書に収められた論点に関する基本事項(未遂犯;中止犯 ほか)
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- 和書
- ADC年鑑 〈1988〉