内容説明
戦後の焼け跡、横丁のはなたれ小僧、日本経済の青春時代、高度経済成長のモーレツサラリーマン、安保と政治の季節、バブル経済の東京、そして現在…グラフジャーナリズムの旗手として、ドキュメンタリー写真家として、そして一人の日本人として、この国を見つめ続けてきたフォトジャーナリスト・長野重一の半世紀以上にわたる20世紀のクロニクルがここに完結。戦後から現在までが綴られた「記憶」に写るのは、この国を作りあげてきたあなた自身の姿でもある。珠玉のモノクローム作品、175点を収録。
目次
図版(この国の記憶;東京・かつて…;ドリームエイジ;遠い視線・東京好日)
長野重一インタビュー―作家生活を語る
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mizzan72
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一番古い写真は、昭和21年(1946年)、一番間近のもので、平成12年(2000年)。「この国」の約54年間を巡る写真集。長野重一さん、木村伊兵衛さんと仕事をしていた方だそうで、なるほど戦後すぐの作品を眺めてみると、それも納得。ただ年月を重ねるにつれ、作風が変わっていったようだ。昭和20-30年代の被写体からは、どれも強烈な個を感じるが、平成の写真からはあまり伝わって来ず。写真家の視点が変わっていったことで、そう感じるのか、それとも「この国」の個性自体が変わったのか。2014/07/21