内容説明
六本木が本当の六本木だったころ、二十一歳の男と十六の女が深夜のバーで出会った。ふたりを結びつけたのは、互いに一人ぼっちの寂しがり屋。その孤独を癒すために二人の出た行動とは…。
著者等紹介
笹沢左保[ササザワサホ]
1930年横浜生まれ。郵政省東京地方簡易保険局に勤務していた58年、事故入院時に推理小説を書き始める。60年『招かれざる客』で江戸川乱歩賞次席となり作家デビュー。61年『人喰い』で第14回探偵作家クラブ賞を受賞。享年71歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はんげつ
2
六本木心中、純愛碑、向島心中、鏡のない部屋、銀座心中。このよだれが出てくる題名のラインナップ見て……(「○○心中」、大好きなんですよね)。ミステリの書き方をしてはいるけど、恋愛小説の方に重きを置いている。さらにいえば、恋よりも愛を描くことへの比重が大きい。収録作すべてが心中を扱っていることから、死というフィルターを通して見える領域にこそ深遠なる男女の愛は宿るということを書きたかったのではないか。笹沢流の“愛小説”、堪能しました。2019/06/24
kidatarou56
0
男女の心中にまつわるホワイダニット短編集 都会的で暗くてニヒル=かっこいいテイスト 六本木心中…当時の六本木の風俗描写が興味深い ニヒルで孤独な若者の若者の心のふれあいが現代的 純愛碑…すれ違いと反転。皮肉なオチが良い 向島心中…花柳界の風俗描写が興味深く、それが動機の意外性とうまく結びついている。 鏡のない部屋、銀座心中は自分的にはいまいち。 2012/11/18
コマンドー者
0
笹沢氏の初期短編集で代表短編集。本格推理というよりは男女の人間関係からのサスペンスを主体にした読み応えのある作品が揃っている。2022/12/24