感想・レビュー
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みずさわゆうが
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昭和の初め、土佐と中国地方の山奥・瀬戸の小島と僻地へ赴き、ハンセン病者の療養所への収容に奔走する30代独身女医の手記。 短歌を交えた感傷的な文体。6年近くの短い彼女の活動は、病者を「病友(とも)」と表記し、その病態が家系ではなく伝染病であることを説き、療養所に収容するーーこれが彼女の使命でであり、信念。であった。むろん、そこには家族や仕事、故郷との別離が。 昭和9年~12年の初めという時期、15年の映画化と人気。16年に職を辞し、18年に結核で世を去る。「無癩県運動」とメディアとの関りが恐ろしい。2022/03/22