内容説明
ますます生きづらくなる一方の私たちの国、そんな私たちに寄り添うように、そっと差し出される88のエッセイ群。たとえば「英語」について、「仕事」について、「家族」について、「正義」について、「わたし」について…。これからの日本社会で大切になるのは、年を取るとともに身軽に生きること。そのために必要なのは、建物のリフォームより、思考のリフォームなのです。
目次
わかる
わからない
ストレス
知識
知恵
学び
等価交換
道具的理性
自助努力
教養崩壊〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きぬりん
1
88のキーワードをもとに展開されるエッセイ集。前後のエッセイと緩いつながりを持たせるのに苦労されたようだが、必ずしも報われていない気も。各エッセイは穏やかな面持ちの裏に滋味深い味わいが感じられる一方、遠近法主義、現象学、構造主義、脱構築といった現代思想の系譜が、著者の考え方の基本パターンとして透けて見えてくる。事件/経験/体験の違い、慣れ親しんで無自覚になったものからズレることという創造力理解、幸せという言葉は差異を含み込むある種の感覚を押し込めた比喩表現であるといった話が、特に面白く思えた。2024/09/29
みつ
0
金平糖みたいなお話だと感じた。少しずつ、ゆっくり大切に味わって溶かしていきたいな。ゼミのテキスト指定されてなかったら寝る前に少しずつ読み、温かい幸せな気持ちになる、そんな読み方をしそう。小さい頃、寝る前に本の読み聞かせをしてもらっているイメージ。それでいて緩やかな繋がりに引き込まれ、夜更かししてしまいそうな気もする。それぞれのエッセイの最後の一文に思わずクスッと笑い、ほわっとあたたかい気持ちになった。難波江先生、88でひとつのギフト、ありがとうございます。大事にします。2012/06/11
やま
0
穏やかなのだが熱い文章。まえがきにある通り、さまざまな思考の基調となる話題がほとんど。自分なりに1000字で書いてみようかな。 2012/03/23