内容説明
ゆらぎは、複雑系における情報処理や制御過程を反映した貴重な情報源である。それゆえ、森羅万象をゆらぎの土俵に乗せ、特性解析するところからスタートする研究のパラダイムが大きく開けている。本書では、ゆらぎの解析理論を紹介した上で、具体例として、心拍変動、脳単一ニューロン活動、遺伝子発現、経済現象、企業活動、中国農村の社会構造データ、インターネットデータ、東海地方の測地データ等を取り上げている。
目次
フラクチュオマティクス原論
真理への近さを測る
統計的モデリングによる情報抽出
組織的な発見への期待と予感：統計科学と発見科学
生体信号ゆらぎのモデル論
心拍ゆらぎ解析の最近の動向
東海地方における測地データのゆらぎ解析と解釈
「１／ｆゆらぎ」の謎解き―統計力学の一つの盲点
遺伝子発現のゆらぎ
ネットワーク物理学と１／ｆゆらぎ
組織における戦略行動ゆらぎのカオすモデルによる解釈―ブレークスルーのスキーマ理論
フラクチュオマティクスで斬る経済現象
市場経済化のもとでの中国農村の社会構造のゆらぎ
生体におけるゆらぎの効用―確率共振の観点から
生命フラクチュオマティクス論
著者等紹介
山本光璋［ヤマモトミツアキ］
１９４０年長野県松本市に生まれる。１９６３年東北大学工学部通信工学科卒業。１９６８年東北大学大学院工学研究科電気及通信工学専攻博士課程退学。東北大学医学部脳疾患研究施設脳波部門助手。１９７１年工学博士。１９８０年医学博士。１９８４年東北大学医学部脳疾患研究施設神経生理部門助教授。１９８８年東北大学工学部情報工学科教授。１９８９年ゆらぎ現象研究会幹事（２００１年迄）。１９９３年東北大学大学院情報科学研究科教授。２００４年東北大学名誉教授。現在、東北福祉大学教授、ゆらぎスクール・ジャパン代表
鷹野致和［タカノムネカズ］
１９４０年東京都に生まれる。１９６４年横浜国立大学電気工学科卒業。１９６６年横浜国立大学工学研究科修士課程修了。通産省電子技術総合研究所入所。１９７０年米国ワシントン大学Ｒｅｓｅａｒｃｈ Ａｓｓｏｃｉａｔｅ。１９８２年東京大学工学博士（物理工学科）。１９８８年新機能素子研究開発協会研究開発部長。１９９２年京セラ株式会社中央研究所第二研究部長。１９９２年ＩＣＮＦ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ａｄｖｉｓｏｒｙ Ｃｏｍｍｉｔｔｅｅ。１９９６年明星大学理工学部電気工学科教授。２０００年明星大学物性研究センター長。現在、明星大学理工学部長、日本ゆらぎ現象研究会代表幹事
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