出版社内容情報
パパが家で家事と子育てをして、ママが外で働く!?そんなこと、うまくいくのかしら…?恋するサッカー少女ネールの心は揺れ動く。
およそ12~13才から
内容説明
わたしはネール、12才。パパとママ、4才と生まれたばかりの弟の5人家族。ママが、また外で働きたいと言いだした。子育てで中断していた仕事を再開でき、大はりきりのママ。うちでのんびり過ごせるだろうと、育児休暇をとったパパ。二人で納得して決めたはずだけれど、いざ始めてみると…。家の中は、もうたいへん。まわりの目だって気になるし。こんなこと、本当にうまくいくのかしら…。でも、家族が自分の意見を出し合い、認め合うようになっていければ、きっと大丈夫よね。初恋や親友の裏切りなどを経験してゆくネールの思春期を背景に、父親と母親の、家庭での役割を問う、現代ドイツ児童文学の傑作。小学校上級以上。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MOCCO
7
児童書であるからこそ、パパが主夫になったときの家のドタバタ感や世間からのズレを、子供目線で見ることができて面白かった。働きたいママの気持ちには、やっぱり共感しちゃうし、3人産んでから働き始めるガッツには感服する。主夫って…やっぱり障害が大きいのかなぁ。2013/08/21
航輝
4
図書館本 母親がフルタイムの仕事をしてその間父親が家事育児をする奮闘記 女が家に入って男が稼ぐという概念をいかに崩すかという感じの入りから実際の苦労が襲う家族の姿 現実は理想どおりとは行かないけれど頑張って欲しい2022/01/06
裕由
4
童話館ブッククラブから。約20年前に日本で発刊されたそうだが,ドイツでの原作はもっと前だったのかな?今でいう男女共同参画社会を意識したコメディタッチの作品であろうが,それよりも主人公である女子中学生?の心の成長物語として読めた。最後から3ページ目,ネールの電話口での言葉「いいわよ,もう。わかったわ。」この一行に彼女の葛藤、どれだけの感情がとじ込められていることか!大人になっていく瞬間を感じざるを得ない。2018/02/10
ERI
3
1990年にドイツで書かれた本みたい。その頃はまだまだ家事は女性だけがやるものだったんだな~お母さんが外で働くようになり、お父さんが育休で家事をするようになる。親も子供たちの暮らしも気持ちも変化していく様が「だよな~」と共感できる話。誰もそれぞれが幸せに生きていたい。それには周りへの思い遣りが不可欠だ~娘の日常に自分の子供時代を思い出した。たまには児童書を読むのも良い。2021/07/04
あられ
2
図書館の棚で見つけてひょいと立ち読みを始めたら面白く借りて帰りました 1990年ドイツではこういう児童書が作られるほどに男女平等が進んでいたということに感心した この本から30年日本はようやくここらへんなのかなと感じた本です パパが家事の技術がよくなることが解決のための大事なことだが、そこはするっと通り抜けていて残念だった まずそれはいくらページを割いても変わらない騒動になってしまうのかもなあ…ま、そういうバタバタを乗り越えてどこの国も新しい意識を根付かせてきているのだと思った2023/02/24