出版社内容情報
アナトールはパリの近くの小さなねずみ村に、家族と共に暮らしています。
毎日夕闇がせまる頃、ねずみのとうさん達は皆、自転車に乗って、パリの街へ家族のために食べ物を探しに行くのです。
その日も、いつものように人間の家に入り込んだアナトールは、ねずみを嫌う住人の声を聞いてしまいます。人間にそんなふうに思われていたなんて…気落ちするアナトール。
「けいべつされ きらわれていると思うとたえられない。ぼくの自尊心はどうなるの?ぼくのほこりは?ぼくのめいよは?」
「では、何か人間におかえしができないか?」という妻の一言で、アナトールに名案が浮かびます。それは夜、無人のチーズ工場に入りこみ、チーズの味見役を務めるということでした。
嫌われ者で、こそこそとしたねずみの生き方に満足せず、自分の特性を活かした仕事で堂々と報酬を得る。アナトールのチーズへの助言によってチーズ工場は大繁盛します。アナトールとは誰なのか?工場では騒ぎになりますがひみつは秘密のまま。
誇りをもって仕事に向き合う父さんの姿を、6人の子どもたちも尊敬の眼差しで見ています。
フランス国旗を思わせる青・白・赤で描かれた、ちょっとおしゃれなねずみの生活を垣間見てみませんか?
(企画広報課 M・N)
およそ8~9才から
内容説明
読んであげるならおよそ6才くらいから。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
141
図書館本。さすがフランス。ねずみであっても自尊心と誇りを忘れない。トリコロールカラーの絵もおしゃれな一冊。チーズが食べたくなりました。2020/03/27
seacalf
59
フランス国旗と同じ、青・白・赤のトリコロールにサンドされた絵本。中身の絵もこの三色で構成されているのが面白い。パリ近くの小さな村で満ち足りた暮らしをしていた父さんねずみのアナトール。家族の為に良かれと思ってしていたことが、実は人間にとっては邪魔者扱いと気付いてしまう。傷ついた自尊心を取り戻すべく彼が起こした行動とは?こんな風に共存共栄が出来たら、さぞかし楽しいだろうなあ。とはいえ、近頃は新型ウィルス騒動で竹鼠が大きく取り上げられているから、大きい声では言えないのだけれど。2020/02/02
たまきら
44
凛とした姿勢のアナトールがとても素敵ですが、ネズミの寿命は短いからなあ…とか、余計なことを考えてしまう猫飼いなのでした。娘さんには受けていた模様。2022/01/15
しぃ
35
これは面白かった!人間に寄生するのではなく自ら仕事をして堂々と報酬をもらっていくというアナトール、カッコいい。ボロクソに言われて傷つきながらも立ち上がるアナトール、カッコいい。今まで読んだネズミ系(そんな分類ないけども)では一番好きです。オススメ!2016/01/31
いちろく
34
紹介していただいた本。人間に嫌われていると知ったアナトールがとった行動は、自分が出来る事で人間にも喜んでもらう事。Win-Winの関係を見事に描いた作品した。国語の教科書に載っていたという紹介も読めば納得でした、、、と堅い事も書いたけれど、とにかくチーズが食べたくなる本ですわ。2016/08/14
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