出版社内容情報
刊行の辞 本書刊行委員会
1近衛砲隊暴動始末 (当時の陸軍裁判所が記した暴動の大要。陸軍か ら太政大臣三条実美に提出)
2士官・下士官の口供書 (陸軍裁判所が過酷な糾問で録った被告たち のうちの士官・下士官の供述書 全四名)
3兵士たちの口供書 (同上、死刑に処せられた兵卒53名の供述書)
4殉難者一覧 (処刑された兵士たちの氏名・出身地・処刑時年齢)
5解説ー「竹橋事件の会」創立前史覚書 (法政大学名誉教授 松尾章 一)
「近衛砲隊暴動始末」「口供書」刊行委員会[コノエホウタイボウドウシマツコウキョウショカンコウイインカイ]
刊行委員は五名、いずれも、「竹橋事件の真相を明らかにする会」(1977年創立)・「竹橋事件青山墓地遺族会」(1985年創立)の会員。9年をかけて、史料「近衛砲隊暴動始末」と「口供書」(被告の供述書)の翻刻と現代語訳に取り組んできた。
感想・レビュー
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Jirgambi
1
竹橋事件に係る史料群とその現代語訳。そもそも事件がマイナーかつ史料は国立公文書館所蔵の為アクセスが少々面倒。世に問える形で刊行してくれたのは大変有り難い。序文に拠ると、読み会もあったそうで、苦労も察せられる。欲を言えば地図が欲しい、また註を補強して欲しい。例えば註が広辞苑の抜き出しだったり、明らかに原文意味不明なのにそのままだったり(その他瑣末だが、原文「金井徳太郎」の記述→「惣太郎の誤記か?」等考察があっても良い)と。頁下に誰の口供書なのか明記されるとなお便利。とは言え、委員会のお陰で読めた事に感謝。2020/11/29