内容説明
戦後初めて吉田茂の再評価に挑んだ著者の目は、世界の指導者に向かう。『宰相吉田茂』「吉田茂の交渉力の奥義」「佐藤栄作―『待ちの政治』の虚実」など政治指導者のリーダーシップを論じる。
目次
宰相吉田茂(宰相吉田茂論;吉田茂以後;妥協的諸提案;偉大さの条件)
世界史を創る人びと―現代指導者論(時代の変わり目;冷戦の凍結;多元化する世界;二十世紀後半の世界)
論文選(瓦礫の中に今日を見た吉田茂;「吉田政治」と日本の選択;吉田茂の交渉力の奥義;日本外交の弁証;岸信介と戦後政治;佐藤栄作―「待ちの政治」の虚実)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽん教授(非実在系)
1
吉田ドクトリンを見出だして評価した記念碑的著作。当時は信用回復のために再軍備を抑制するのが良く、最晩年は再軍備が不可欠だと吉田も認識していた。経済成長のためには軍備に裏付けられた国力や信用も必要なのだ。方便としての軽武装がドグマ化されていく過程には吉田・高坂共に批判的。2018/05/08
denken
0
吉田茂体制というようなものにしてしまってはならないと,述べてはいるのだが,読まない人から見れば,この人が吉田茂体制の賛美推進者に見えるのかもなあ,とかなんとか思ったり。怠惰っていけませんねえ。2010/10/07