内容説明
“自然”にはあり余るほど恵まれていても、児童数が減少し、学校の存続にすら苦慮している過疎地がある。一方では、すべてが過密化した都会で、受験優先の詰め込み教育、塾通い、ファミコン遊びという環境を憂い、広々とした自然の中で、のびのびと個性豊かに育ててやりたいと願う親がいる。二つの願望が合致し、双方にメリットがある形で、“新しい世界”が誕生、いま各方面から注目を集めている。それがこの「山村留学制度」である。そこで、西日本で最も古い歴史を持つ和歌山県伊都郡かつらぎ町新城に例をとり、この制度の誕生から4年間にわたる実践活動の経緯を「記録集」として出版することにした。
目次
1 小学校を守れ―山村留学制度の誕生
2 可愛い子には旅をさせよう(旅立ち;わが子の成長の記録)
3 山村留学制度による新城小学校の教育・中間報告―新城小学校(山村留学児を迎えた在校児の具体的な変化;留学児の生活の現状と具体的な変化;里親運動による山村留学児受け入れの展望)
4 いきいき、のびのび。多彩な体験を子ども達に(里親制度がきっかけで地域が大きく変わった―浦正造;都市と過疎地が提携してセカンドスクールの設立を―岡本美也;せめてソフトボールのチームを作らせたかった―谷口守;集団の中で生きていく力を身につけさせたい―峯真里;自らの手で生きる道を切り拓いて行けるように―山内正治;卒業後も余韻の残る教育を心がけたい―米阪美隆;学級通信)
5 ぼくらは忘れない。新城のことを―児童文集『すぎのこ』から
資料 新城小学校山村留学制度の案内