内容説明
この作品集は、許地山の初期作品から、創作小説三篇・散文一集分・回想記一篇を選び、基本的に原載誌への発表配列に従って翻訳したものです。うち一篇はこれまでに抄訳があるのみ、もう一篇は先行既訳があるものの手に入れにくく文体がかなり古いもの、その他は日本語訳がなかったものばかりです。すべてここ十年余りで新たに訳出しました。作品集への収録にあたっては、最初の翻訳「命命鳥」については大幅な改訳を行い、あわせて詳しい訳注を施しました。他の作品については、初訳に改訂を加え訳注を補いました。「海のかなたのひとつ星」は、この作品集のために訳出したものです。
目次
命命鳥
黄昏の後
空山霊雨「落華生散記之一」(蝉;心に憂きことありて;蛇;笑 ほか)
愛の想い満ちる時
海のかなたのひとつ星
「芝蘭と茉莉」を読みて我が祖母を想う
著者等紹介
松岡純子[マツオカジュンコ]
中国近現代文学・日中比較文学専攻、長崎県立大学助教授
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