内容説明
不祥事が発覚した91年夏、株価は2万4000円台を低迷しており、87年当時の高値で株をつかまされた一般投資家たちは、損を承知で売ってしまったか、あるいは売るに売れずに“塩漬け”を覚悟で、株価の横ばいグラフをにらみつけているしかない。この事件は外国でも、日本のアンフェア体質の露呈として大きく取り上げられ、湾岸戦争以後の日本のイメージをさらに悪くした。一部の大口投資家だけが特別優遇され、一般投資家が「ゴミ」や「ドブ」として扱われ、それが許されている日本の特異体質が大きく浮き彫りにされたのである。事件の本質的構造の解明に徹底して迫る。
目次
はじめに 一般投資家にこの驚くべき真相を伝えたい
プロローグ これが個人客を騙す証券業界の暗部だ
1章 なぜ証券業界のドン田淵節也は倒れたか
2章 大暴落の発端は中央信託銀行次長の脱税
3章 証券業界をズタズタにした暴力団との癒着
4章 甘い汁を吸い続ける大蔵省証券局
5章 悪をはびこらせた官民癒着の構造
6章 あの隆盛は2度と来ないか日本の証券界
おわりに 業界の前途を暗示する野村証券の悲劇