内容説明
そこここに歴史が香る東吉野の山里。集落の真ん中を流れる渓を見下ろす高台に、沢山の花に包まれるように、その山荘はあった。梅の花が咲く頃、裏庭の土間に置かれたプロバンスの古いテーブルの下に、一匹の流れ猫(僕)が居付いたのだ。山荘の持ち主である筆者(あの人)に出会った僕(ゴン太)は生まれてはじめて、信じられないくらいの「優しさ」を知った。
著者等紹介
森田洋子[モリタヨウコ]
エコールドパルファン(香りの学校)学長。フランス調香師協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫羊
13
自分でも不思議なぐらい心を揺さぶられた。小さな命の健気さと、その命の最期に寄り添った無償の愛に、ただただ感動した。この本を読んでいる間、素のままの子どものような自分でいれた。2014/11/22
Hitomi Yamane
1
動物や弱い者を愛し、慈しむ作者の大きくて優しい心が素直に書かれていて、心をうたれた。作家として、、とかでなく、周りへの愛を素直に書けば、読む側にこんなに伝わるんだという新鮮な感動。きっと犬や猫と暮らす人はとても共感するだろうし、私のように動物を飼っていなくても、家族や周りの愛する人に置きかえられて、ちゃんと伝わる。森田さんはエコールドバルファンという香りの学校の学長をされているようで、芸術家の感性だな、、と納得した。 捨て猫のゴン太の最後の1年、森田さんと深く通じ合っていく様子と季節感が素敵な本でした。2015/03/29