内容説明
代数、幾何、解析。数学の多くの分野は唯一つの式に合流し、そしてそれを起点に再び奔流となって迸る。ネイピア数、円周率、虚数、指数関数、三角関数が織りなす不思議の環:オイラーの公式。ファインマンは「これは我々の至宝である」と嘆じた。本書はこの公式の理解を目標に、数学の基礎を徹底的に解説する。記述は極めて丁寧かつ平明である為、意欲溢れる中高生の副読本としても好適である。
目次
第1部 基礎理論(パスカルの三角形;方程式と関数;微分;積分)
第2部 関数の定義(テイラー展開;指数関数・対数関数;三角関数)
第3部 オイラーの公式とその応用(オイラーの公式;ベクトルと行列;フーリエ級数)
第4部 附録(発展的話題;各種数表)
第5部 問題解答
著者等紹介
吉田武[ヨシダタケシ]
京都大学工学博士(数理工学専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
makio37
7
仕事の中でオイラーの公式に出くわしたので、その背景をじっくり味わいたいと思い手に取った。テイラー級数やネイピア数(そのx乗のx=0における接線の傾きが1)、三角関数の加法定理やド・モアブルの定理を復習した上で、オイラーの公式[e^(jθ)=cosθ + i・sinθ]までたどり着くことができた。さらに、自分にとってはその後に続く逆行列や行列の虚数表現、ケイリー・ハミルトンの公式や固有値などに触れられたも収穫だった。ただ、根気が続かず200頁近くある附録や問題の解答部分は殆ど読み飛ばしてしまった。2023/09/24
恒々
2
なぜオイラー公式が美しいのか、十分な理解がなくて読む。数列、極限の考え方から丁寧に解説と練習があり、ぼんやりと誤魔化してきたところが正される。公式の導出も形式的には理解したが、実数を「複素数乗」する絵姿に辿り着けなかった。eの「複素数z乗」の定義(無限級数)を起点と無条件に信じれば、exp{iθ}の具体的な構成はイメージでき、結果として三角関数と同じ収束が保証された数列となることは理解した。πも不思議な数だが、由来は三角関数の定義自体であり微分が元に戻ることが本質のように思えた。なのでオマケである。2021/12/13
えびふらいちゃん!
0
安定の良書。本書を読めば数学的美とは何か感じ取れるでしょう。理性ではなく感性として。2024/08/02
としくん
0
なかなか難しい2022/03/19
じょん
0
最近すっかり数学を使わなくなったので復習がてらざっと読んでみた。 オイラーの公式を理解するために必要な内容をまとめている。終盤にはフーリエ級数などもでてくるが、あくまでおまけという感じ。数列や方程式、微積分、三角関数を経てオイラーの公式へたどりつく。教科書的な説明でなく、定義を重視した解説に加え、数値計算による具体的な例も示しながらなのでイメージがしやすかった。 オイラーの公式を知りたい、周辺の数学を簡単に復習したいという場合にいい本だと思う。2021/10/24
-
- 和書
- 山の水 - 石川陽子句集