内容説明
理論の人(ホモ・サピエンス)、実践の人(ホモ・ファベル)、そしてもう一つの人間観、著書の提唱する「旅する人」(ホモ・ヴィアトール)とはいかなる人か。旅を栖とした芭蕉にその姿を見ながら「旅する人」としての生き方を示し、絶望と沈滞にある現代社会に希望の光を投げかける。
目次
旅する人
実存と人生
哲学と哲学すること
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
でろり~ん
1
良書と思います。哲学書や思想を記したものは、圧倒的に西欧のものが多い印象ですが、やっぱりね、日本人が日本語で書いたものが腑に落ちますです。どうしても西欧的、つまり一神教的な空気感に違和感を禁じ得ない感覚が残りますからね。芭蕉をホモ・ヴィアトールとして取り上げているのは日本人に圧倒的な説得力を持ちます。不易流行。時は百代の過客。奥の細道に対する理解度までも深まった気がします。心をせめるって覚悟は実に日本的な感覚なのかもしれないですね。「多少の縁」という誤植が残念でした。2017/04/20