感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
101
一杯のスープを飲んでしまったばかりに……。魔女の気まぐれに翻弄された7年間の悪夢。醜い小人に姿を変えられてしまった美少年は、魔女の料理人として働きながら、再び生まれ変われるチャンスを模索します。料理人として腕を磨くうち、ようやくその機会は巡ってきますが、それは死と背中合わせになった背水の陣でした。25歳の誕生日を目前に夭逝したドイツ人作家が19世紀に描いた物語。グリム童話を下敷きにしているようです。絵がとても美しいのです。2015/06/13
☆よいこ
79
絵本サイズの読み物。リスベート・ツヴェルガーの絵がとても素敵▽靴屋の一人息子ヤーコプは、母が野菜を売るのを手伝う優しい子供だった。12歳のヤーコプは怪しいおばあさんに連れ去られ、7年間リスの姿に変えられ料理番をさせれらた。やっとの事で逃げ出したヤーコプは、リスの姿ではなくなったものの、長鼻で首のない妙な格好の小人になっていた。実の両親からも認めてもらえず、鼻のこびととして公爵の下で料理番として働き始める。▽ハピエン「あのいじわるな年とった女は、ヤーコプの体をめちゃめちゃにしたが、心はどうにもできなかった」
はる
65
面白いけれど、ちょっと怖い。独特の絵も印象的です。グリムもそうだけれど、ドイツ人って子供向けでも割りと平気で残酷チックなところがあるような。夭逝した作者の「どんないじわるを受けても、心は別のもの」というメッセージは素敵。2018/05/11
ちえ
48
ハウフの『隊商』を子供の頃に読んだ。中身は忘れているけれど、やはりちょっと怖くて魅力的だった印象。この話が入っていたかはわからないが。これは不思議でちょっと怖い話。人の見た目をあげつらってはいけないということか。他の挿絵の本もあるようだが、この本の美しい絵がは魅力的。2021/10/20
あたびー
31
#日本怪奇幻想読者クラブ お母さんの八百屋を手伝っていたヤーコプは、怪しい老婆の家まで荷物を届けに行って奇妙な夢をみた…と思っていたらそれは夢じゃなくて現実で、更にすっかり姿が変わって鼻の長いこびとになってしまっていた!両親にも認めてもらえず、魔女の家で覚えた料理の腕で公爵の料理番に。絵本にしては字が沢山。なんとなくハッピーエンドにはなっているけど、私なら自分を認めてくれなかった両親に一生恨みを抱えそう。ムーミンママは、飛行鬼の帽子のせいで姿の変わったムーミンをちゃんと見分けていたよね、とか…2020/10/23