内容説明
誰が勝ち組なのか?―実証・東大生の行く末。受験人生がこんなに人間を不幸にする。
目次
東大出の行く末をみれば幻想は消える
東大出のご利益とは
東大に行くまでに何を学び、東大で何を学んだか?
一流大学の落ちこぼれは傑物揃い
八十八歳になると優等生・劣等生のホントの顔がみえてくる
学歴ゼロの人生でわかること
エジソンもアインシュタインもダテに悪い成績ではない
劣等生なんて存在しない
人間教育と受験教育はここが違う
受験の価値観が変わる「学校はナゼできたか」
面接官が望んでいる人間像とは
著者等紹介
三浦朱門[ミウラシュモン]
作家。1926年東京生まれ。東京大学文学部言語学科卒業。日本大学芸術学部で教職を務めながら、第15次「新思潮」に加わり、’51年『冥府山水図』で文壇にデビュー。小島信夫、阿川弘之、安岡章太郎、遠藤周作、吉行淳之介らとともに第三の新人と呼ばれる。’67年、『箱庭』で新潮文学賞受賞。’82年、『武蔵野インディアン』で芸術選奨文部大臣賞受賞。’85~’86年文化庁長官に就任。’99年、第14回産経正論大賞受賞、文化功労者にも選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かめぴ
9
つーか幸せになってるんじゃんと突っ込むものの、確かに幻想はあるよね。初三浦氏。読みにくいったらありゃしない私がバカなのかとも思ったが、子を持つ母としては、とりあえず読んでおいて良かった。かも。2015/04/30
田中峰和
3
旧制高校から進学した著者の頃は進学率も一ケタ台。限られた特権階級の子弟の進路でしかなかった。東京出身なのに一高に入れず高知から東大に進学した三浦氏は当時としては落ちこぼれなのだろう。彼の発言に「出来ないものは出来ないままで結構、100人中2~3人のエリートを伸ばす。それ以外は実直な精神だけ持ってくれればいい」「魚屋の息子が官僚になるようなことがあれば本人にも国民にとっても不幸になる」など差別的なものが多い。自分は東大を出ているが、無頼を気取る著者。既得権を持つ者が新規参入を拒む姿勢が露骨で気分が悪くなる。2015/03/31
袖崎いたる
2
再読という名のつまみ読み。失礼ですが大変読みにくい文章で、なんて悪文なんだと思いつつ、非東大出の屈託を相対化する目的で読みました。小学生や未就学のお子さんがいる方は読んでおくと、少し子育てという肩の荷が軽くなるかと思います。さらにゲーテの『修行時代』を併読するのもいいかもしれません。というのも本書は「置かれた場所で咲きなさい」的な教育論ともいえ、教育とは地方性および家族性(つまり置かれた場所)の規定が大きいという立場にあるからです。で、当初の目的である東大卒への相対化については著者のサンプル不足…かな? 2015/03/01
フィ
1
90歳目前の東大卒の作家が、同級生や自らの人生を回顧しつつ、東大卒の出世道から教育とその制度のあり方について思いの丈を述べている。かなり年配なので話が古いのは否めないが、展開されていた硬派な教育論は、忘れ去られつつある現在において、再確認しても良いかもしれない。2015/04/26